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月を詠んだ歌7首

先月の、皆既月食とスーパームーンが重なったあの日、ひとつ歳をとりました。
思えば2012年、挙式前に夫と結婚指輪を用意しているタイミングで金環日食があり、ドリカムの歌詞みたい……と痺れたものでした。
自分の唯一の歌集のタイトルも『月は燃え出しそうなオレンジ』ですし、何かと月には縁があるように感じます。
ごりごりの文系だけど、幼い頃から宇宙には惹かれてやまないのです。

「月」を(the moonの意味で)詠みこんだ短歌を探してみたら、ぱっと見つかるのはこれだけでした。
歌集に収録されたふる~い歌から「かばん」に掲載した歌まで新旧さまざまですが、並べてみました。
残月の歌が気に入っています。

* * *

君からのメールいよいよ優しくて月は燃え出しそうなオレンジ

つないだ手いつか手錠に変わってもいいと思っている月の下

病床に身を起こすとき月満ちてわたしの代わりに光が歩く

ぬばたまの夜をふらふら 月光が人を選んで降るなら萎える

月食を見上げて帰る靴擦れのような失恋抱えた夜に

濡れた靴はかされているような日々やっと終わるね  空に残月

残月の浮かぶ空にはふたりしか知らないことが書き写されて

生きているうちに第二歌集を出すために使わせていただきます。