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絡まった糸をほどく

とある人と話をする機会があった。

話をするというとちょっと違うかもしれない。その人がチームの中で独自の動きを始めようとしていることをひょんなきっかけで私だけが知ることとなった。隠すつもりはないだろうけど、でも事前にこっそり動いて内緒で一気に始めてしまおうとしているように思えた。

でも、その動きはどう考えても今のチームには合わないものだった。私の前の職場や、彼の前の職場ではうまくいくいい活動だと思うのだけど、なんせ今の職場は良くも悪くもイレギュラーなことが多く、一般論は通用しないところが多々あるからだ。今回の彼の活動は、多くの人の賛同を得ることは難しいと思った。すると彼の立場が悪くなると思った。だから声をかけた。

話を少し聞いてみれば、経験もあって正しい活動だからやってみたい、でも周りの人は自分の意見には何にでもNOと言うだろうから、そう言われる前に始めてしまいたいと思ったとのこと。それはそれでわからなくはないけど、周りの人に言わずにいきなり始めることで何かあったときのフォローはしてもらえなくなるというリスクもある。せめてチームのリーダーにだけはこういうことをしようと思っていると、報告というか確認くらいはした方がいいと思うと告げた。

数時間後、彼がリーダーに話をしたらやはりそれは止めろと言われたようだった。声をかけてくれたから、と私にその報告をしてくれたのだが、リーダーが彼に言ったことは、私が思っていたことと大体あっていた。やろうとしていること自体のメリットやデメリットの問題ではなくて、今の職場の歴史や流れや人のことをよく考えたら、その活動はこの職場の方針にそぐわないのではないかというアドバイスというか忠告。

でも彼の捉え方が全然違っていた。自分のやることが気に食わないようだ、という風に理解しているみたいだった。話せるだけのことは話したし、少しは誤解も解けたのではないかと思っているのだけど、やっぱりこの溝はとても深いと改めて感じた。

昨日書いた彼は、今日書いた彼との人間関係に悩んでいるのだ。だから余計に、私にできるフォローはしなければいけないという危機感と使命感を勝手に感じてしまい、こういう結果となった。本来なら、この2人の関係が悪くなる前に、こういう動きをすべきだったのかもしれないと思う。だから、明日からもよく人の動きを見て、察して、できるだけいろいろな人と1対1でのコミュニケーションをとって、防げることは防ぎ、和らげられることは和らげ、改善できることは改善していけるように、絡まった糸を少しでもほどけるように、調整役の本領を発揮していこうと考えている。

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