大切な人に降りかかった雨に傘を差せること

あの人が体調を崩しているらしい。

私の人生の中で、とても苦しいと思ったことのひとつ。それは、大事な人が苦しんでいるときや困っているときに、何もできないということ。

悩みがあったら話を聴く。
体調が悪ければ看病をする。
悲しいときはそばにいる。

そんなことができることが、とても幸せなことだと今の私ならわかる。

昔の私は、そんなことを知らなかった。人が苦しんでいる姿を見ているのが辛かった。そばにいてもその苦しみを取り除いてあげられないのなら、私はそこから離れたほうがいいのだと思った。別の誰かが助けてくれるだろうと思った。そうしたことで、私を大事にしてくれた人を深く傷つけたことがある。結果的に、自分が苦しみから逃れたかっただけなのかもしれない。

そこにはやっぱり、罪悪感があった。今の私は、その罰を受けているのかもしれないとさえ思えることが時々ある。自分が支えてあげたい、助けてあげたいと思う人がいても、そうすることが許される立場になれないのであった。いつかもう一度、私がそばにいることで救われるとか、癒やされるとか、助けられるって思ってくれるような人と、救いたい、癒やしてあげたい、助けてあげたいと思える人と出会うことがあるなら。今度こそ私は、そこにそっと寄り添うことを選ぶだろう。

幸せとは 星が降る夜と眩しい朝が繰り返すようなものじゃなく
大切な人に降りかかった雨に傘を差せることだ
瞬き/back number

心にグサリグサリ刺さりすぎて痛い。

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orangeheytesbury
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