現実の夢を見分ける『FACTFULNES』(Hans Rosling)
問題.自然災害で毎年亡くなる人の数は、過去100年でどう変化したでしょう?
A.2倍以上
B.あまり変わってない
C.半分以下になった
問題.世界で最も多くの人が住んでいるのはどこでしょう?
A.低所得層
B.中所得層
C.高所得層
私たちが見ている世界は感情によってゆがめられている。
そこでファクト(事実)を基に世界を直視する必要がある。
C.半分以下になった B.中所得者
下剋上、転大勝利、奇跡的な生還など人々は
ドラマチックな出来事を好み、求めたがる。
そのドラマチックによって世界がゆがめられている。
ドラマチックな世界の要因
①分断本能 - 世界は分断されている
②ネガティブ本能 - 世界はどんどん悪くなっている
③直線本能 - 世界の人口は増え続ける
④恐怖本能 - 危険でないことが恐ろしく感じられる
⑤過大視本能 - 目の前の数字がいちばん重要だ
⑥パターン化本能 - ひとつの例がすべてに当てはまる
⑦宿命本能 - すべてあらかじめ決まっている
⑧単純化本能 - 世界はひとつの切り口で理解できる
⑨犯人捜し本能 - 誰かを責めれば問題は解決する
⑩焦り本能 - いますぐ手を打たなければ
私たちが世界をドラマチックに見たがる原因は
上にあげた10の本能にある。
本の内容は理解して覚えないと意味がない。
しかし10個の本能って、多くて覚えられない
と感じてしまった。
そこでボクは4つに絞ろうと思います。
cf.) ボクなりのまとめです
間違いへと導く4つの本能;
①『白黒はっきりさせたい』
②『Simple Is the Best.』
③『世界は変わらない』
④『恐怖と焦り』
①『白黒はっきりさせる』
〇「富裕層と貧困層、善人と悪人など集団を2つの分ける。」
〇「こんなことになった犯人はあいつだと決めつける。」
これらの考えは『白黒はっきりさせたい』という気持ちからきている。
まず「白黒はっきりさせることができるのか」、
はっきりさせたとして「問題は解決するのか」、
という視点で物事を考えなければいけない。
(1)世界には様々な人がいる
そんな人々をあるひとつの観点で2つに分けることは可能だろうか?
eg.) 男・女・無選択 etc.
(2)犯人はあいつだ
問題が起こった時に、過去をたどれば犯人を見つけることはできる。だが犯人を見つける前に要因を見つけた方が再発防止につながる。
eg) 貧困による犯罪 etc.
②『Simple Is the Best.』
〇「お金さえあれば健康になれる。」
〇「海外でタクシーを降りた時、ドアを開けっぱなしにしてしまう。」
これらは物事を「Sipmle Is the Best.」という気持ちで見ている、
さらに無意識のうちに思っているから起こる。
そこで「ひとつの視点だけでは世界を理解できないと知る」
ことが大切だ。
(1)お金と健康
「お金持ちにさえなれば健康になれるのに」という思い込み。
アメリカの一人あたりの医療費は世界で一番高いが、
アメリカの平均寿命は世界で40位。
お金という視点だけで国民の健康を決めつけることはできない。
(2)タクシーのドアは勝手に閉まる
タクシーから降りた時にドアが勝手にに閉まるのは日本だけ。
ただ、海外に出た際に日本の習慣をそのまま行ってはいけない。
実際にシンガポールでタクシーに乗った時、ついついやってしまった。
自分たちの世界のルールが他の世界では通用しないことを肝に銘じなければいけない。←ステレオタイプ
③『世界は変わらない』
〇「世界の人口は増え続ける。」
〇「どうせやってもできない。」
「世界は変わらない」という思い込みからこれらの間違いは起こる。
ゆっくりではあるが「世界は変化している」と自覚しなければいけない。
ただ、ゆっくりだからきづけてないだけ。
(1)慣性の法則
動いているものが、現在の速度を保ったままの運動を続けようとする性質を慣性の法則という。バスがブレーキを踏んだ時、おっとっと と前に転びそうになるあれが慣性の法則です。
私たちの心にも完成の法則があり、そのまま同じ速度で物事が変化し続けるという錯覚をしてしまいます。
そこでデータに基づいて物事を評価することが大切です。
★下にこれまでとこれからの世界の人口推移のグラフを載せています。そのまま増え続けていますか?
(2)どうせ―――に決まっている。
「どうせ○○に決まっている」という勝手な決めつけは正しいのだろうか。短いスパンで物事を考えると変化には気づきにくい。しかし長いスパンで見れば大きな変化が存在している。小学校の未知数 x 、中学校の連立方程式、高校では微分積分・三角関数に苦しめられた。しかし今になってはすべて何の苦も無く使っている。
世界の変化を知るためには歴史を勉強するすることが大切。苦しい時代は今だけではない、昔はどうだったかというものを歴史を通して知ることができる。
④『恐怖と焦り』
〇「飛行機が無事に着陸」と「飛行機が着陸に失敗」
〇「ここで入会していただいた方への特別割引」
「無事に着陸」と「着陸に失敗」どちらが話題になりますか?
「ここで入会していただければ」といううたい文句によく騙されませんか?
これらは私たちの「恐怖と焦り」本能に訴えかけてきます。
そこでデータに基づいてビビることが大切です。
(1)不安をあおる
「世界は平和」と「世界は危険」という見出しでは、恐怖をあおった見出しの方が関心をそそりやすい。
そこでデータに基づき恐怖と危険(怖いか危ない)を区別して、危険に備える必要がある
(2)焦りは人を行動させるが、
「台風によって警報が発令されて避難所に行く」。危険が迫った時、”焦り”は危険から人間を守る。しかし、オオカミ少年は”焦り”を悪用した結果、人に危害を与えてしまう。
決断を迫られたとき、自分の”焦り”に気づけるように日々 自覚しておく必要がある。
(自己責任)
マスコミは嘘と偏向報道ばかりととんでもない奴らだとよく耳にする。もちろんそれを否定するつもりはない(何なら肯定する)。
しかし、そんなマスコミに対して私たちは何ができるのだろうか?
当事者でもない私たちがマスコミの報道体制を変えることは難しい。
そこで、ニュースを見る際に人間の本能を自覚して、
記事に踊らされないように自ら注意する必要がある。
(文句を言っても何もはじまらない。)