仮面ライダーガヴ 2話 感想

まずオープニング。今回は主題歌を歌っているのが今をときめくFANTASTICSということもあって、楽曲、映像ともにポップでスタイリッシュ。だが、それぞれ抱えているものがありそうで、この物語の本質の部分は、OP冒頭の力強く真っ直ぐ前を見つめる姿と、途中でもがき、叫ぶショウマの姿が表現しているものではないかと思った。

そして本編。いよいよストマック一族が本編に出現。ストマック社は、長男のランゴが社長を務めており、経営の主導権も彼が握っている。しかしこの家族、全員一癖も二癖もある人物のようで、いつ誰が反乱を起こしてもおかしくない、そんな危なっかしさを感じた。そして、彼らの父であり、ショウマの父と思われる人物は亡くなっているそう。彼らの父が亡くなったのにどういった経緯があるかはまだ分かっていないが、彼らは父親がいなくなったことで、かなり自由に身動きがとれるようになったのではないだろうか。

ショウマは何をしているかというと、またも行き倒れ、今度はなんでも屋はぴぱれの社長であり、ギャルの幸果に助けられる。

幸果が用意したお菓子をキラキラした瞳で見つめ、パクパク食べるショウマ。そんな姿を見ると、前回同様、本当に我々が生きている世界とは隔絶した場所で生きてきたんだと思い知らされる。これは、ラストに登場する彼の書いたひらがなだらけの手紙からも分かる。それに、母がよく話してくれていたというエピソードを聞くと、ショウマにとってこの世界のお菓子は、母との大切な思い出の1つなのだろう。

幸果は、ショウマがお菓子やお弁当を「初めて食べる!」と語った姿に驚いている様子で、事情はよくわからないが、複雑な事情を抱えているようだ、と察していた。「家、相当厳しい感じ??」というセリフや、ショウマが引っ越しを手伝ったことに対してきちんと賃金を支払っているところから、必要以上に相手に踏み込まないが、相手に対する心遣いができる人で、ルールはきちんと守る、実直な人だと感じた。

後にもう1人のライダーとなる絆斗。彼は、ライターをする傍ら怪物(グラニュート)を追っている。なぜ執念深くグラニュートを追っているのか、そのわけが明かされた。

彼もまた、大切な人をグラニュートに襲われ失ったことが示唆されていた。

こうして考えてみると、ショウマと境遇が似ている。

グラニュートと人間という対照的な立場の2人だが、同じ背景を持ち、共に戦う力を持つ(ようになる)。

そんな彼らがどんな関わりを見せてくれるのか、楽しみだ。そして、絆斗がどうやって仮面ライダーに変身できるようになるのかも、気になるところである。

そういえば絆斗が始の家に取材に行っていたが、始はただひたすら、自分の母が「怪物が2匹いる」と言うのに対し、「1人は違う」と否定し続けていた。それでいて決してショウマのことについて語ろうとしないところが、なんて義理堅い少年なのだろうと感じ入った。始にはまだまだ出てきてもらいたいし、何ならショウマと再会してほしい。

もちろん今回もショウマは変身して戦うのだが、助けた後、律に化け物だと怖がられてしまう。ショウマは静かに「怖がらせてごめん。これからも化け物には気をつけて。」と律を気にかける言葉だけを残し、彼女の前から姿を消した。

そして、律は幸果の友人である。そのこともあり、周りに迷惑はかけまいと、置き手紙だけを残し、幸果のもとからもバイクで去って行った。

人ならざる者である孤独な哀しみを仮面で隠し、人知れず戦い苦しむ者を助け、バイクで去って行くショウマ。

彼の孤独は、人間には恐れられること、そして、グラニュートからは同族を殺す敵とみなされること、つまりどちらにも理解されない苦しみが彼の孤独だと思った。

前回は始、今回は幸果の優しさに触れた。人の優しさに触れれば触れるほど、別れは辛いものになる。

やはりお菓子がモチーフということもあって、ゴチゾウは愛嬌たっぷりのキャラクターであるし、OPや変身エフェクト、戦闘シーンの「ザク」といったマンガのような表現は非常にポップでカワイイ。今回もそういった部分が余すところなく描かれていた。だが、それだけではない、ほろっとした切なさのあるお話だった。




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