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日銀が政策転換を発表! 私たちの生活はどうなるの?
日本銀行(以下、日銀)は、2024年7月に今後四半期ごとに長期国債の買入れ額を4,000億円ずつ減額し、2026年1〜3月期には3兆円程度とする計画を発表しました。
このニュースは、私たちの生活(投資・不動産・賃金など)にどのような影響が出てくるのでしょうか?日本経済にとって非常に重要なターニング・ポイントとなりそうですが、金額が大きすぎていまいちピンとこないので、具体的にこれまでの経緯を調べました。
日銀が2026年3月までに、買入れを行う長期国債の予定額は以下のとおりです。徐々に購入額を減らしていくことがわかります。ちなみに、日銀は「銀行が持っている国債」を買っています。(=買いオペ)
※売り主となる銀行は、政府から発行された国債を買っています
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これまで日銀は1ヶ月あたり5兆円を超えるペース(多いときは1ヶ月で10兆円近く)で買い続けたわけですが、いずれ3ヶ月で3兆円程度(1ヶ月計算なら1兆円未満)となることを公表しています。ピーク時の1/5以下、あるいはもっと少なくしか買いませんと言っているわけです。2012年以降(アベノミクス以降)日銀は、以下のペースで銀行から国債をどんどん買って保有割合を増やしています。
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10年以上の時間をかけて日銀が銀行から国債を買い続けてきた結果、日銀と銀行の国債保有割合は、ほぼ逆転した状況となりました。
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結果として、令和6年3月末時点では日銀が発行済み国債の53.2%にあたる、576兆円を保有しています。
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ここで皆さんも振り返ってみましょう。2012年以降、世の中はどう変わりましたか?
・円安になった
・日経平均株価が最高値を更新した
・都市部の不動産価格が上昇した
・大手企業が続々と最高益を更新している
2016年にはマイナス金利政策も導入され、上記の現象がさらに加速したようにも思えます。
※「マイナス金利政策」とは、銀行が日銀に開設している当座預金の一部にマイナス金利を適用すること
諸外国の経済情勢や政策の影響を受けていることも事実ですが、概ね日銀が国債の買入れを減らすという今回の政策転換は、過去10年とは逆の動きになっていく可能性が大いにあると思われます。
日銀の金融政策がいよいよ本格的な利上げに踏み切れば、その実現性はさらに高くなるのではないでしょうか。それでも利上げを実行するなら、政府がどのような施策を実行していくのか……注目していく必要があります。
最後に余談ですが、日銀が銀行から国債を買いとるときに支払ったお金は、日銀に開設されている各銀行の当座預金に振り込まれます。2024年8月末時点の日銀当座預金の合計額は550兆円です。上述した日銀の国債保有額とほぼイコールですね。
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さらに踏み込んでみると金融機関業態別の当座預金残高では、以下の通りです。都市銀行だけで208兆円(全体の38%)となっています。
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![「SDGs金融教育」アドバイザー おっぴ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/70960757/profile_0ed5bb1b179a548f3710a451497a8e11.jpg?width=600&crop=1:1,smart)