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雑感|【FE 覚醒】特に記念日ではないけれど思い出を語ろう

覚醒、新たなる歴史


(ネタバレあり)
ファイアーエムブレムシリーズの13作目。3DSで発売された『ファイアーエムブレム覚醒』は、ある意味でシリーズにおける一つの転換点であり、おぽのにとっても思い出深い作品です。

中身を語る前に『覚醒』についてざっくりいうと
「歴代FEタイトルの『面白かった要素』を全部足し算したタイトル」
ですね。おぽの自身、開発者のインタビュー記事を読みだしたのもこのころで、その記事の中でスタッフたちが「超集大成」と太鼓判を押していた記憶があります。

※いつもの通り記憶から引っ張ってくるパターンなので画像はありません。


1|育成か、シミュか

FEひいてはSRPGのジャンルのゲーム永遠の命題(だとおぽのは思っている)、育成ゲームとストラテジーゲーム両方の面を持つことによる悩み。『覚醒』を語るうえでももちろん外せません。

育成がやりやすいと、極論育てて殴ればよいので醍醐味である戦略が面白くなりにくく、かといって育成自体ををやりにくくすると慣れてない人はお断りな空気になってしまうというジレンマがあると思います。

FEはいわゆる「経験値稼ぎ」に否定的ではないタイトルです。よくよく見てみると、闘技場だったり、オーガヒルの海賊だったりヴェルニの塔だったり、育成する手段は設けてきていることがよくわかります。

だがしかし

「よーし、こいつらはクラスチェンジまでさせちゃおー」と決意してから経つこと何十ターン…

いや、飽きる…!!本当に飽きる!!
武器に★付けたからもうやめるか…!?
辛抱ならんぞ!!

その点『覚醒』では。

クリア済みのマップに戻ることができて、そこでバリエーションに富んだ敵と戦うことができます。しかも敵のレベルはマップに揃えてあるので、加入したばかりで弱い味方もどこでレベル上げすればよいかも一目瞭然。

そう、楽しんでキャラを育てられること。『覚醒』にはそれが存在していました。

『覚醒』の育成の楽しみは、単純なレベル上げのやりやすさだけではありません。代表的なのは3つ、「チェンジプルフによる転職」「習得したスキルの組み合わせ」そして、もう一つ

弓のアーチャーや騎馬のソシアルナイト、キャラごとに最初に就いている職業から全く別の職業に転職ができます。そして職業ごとに全く異なるスキルが取れるので、職を転々させながら自分なりのスキルの組み合わせも楽しめる。いうことなし。

これに加えて、キャラ同士が結婚し子世代へ継承するシステムが『覚醒』にはあります。エンゲージまで見ても子世代が登場するのは、『聖戦の系譜』『覚醒』『if』の3作品だけ。

親のキャラの組み合わせによって、後から出てくる子供たちのステータスが大きく変化します。性別限定の職業やスキルも子供に引き継ぐことができるので、もうその育成の自由さは計り知れません。

お気に入りのキャラ同士をくっつけたり、
何とはなしに見た支援会話が好きでくっつけちゃったり、
本当に性能しか見ていない組み合わせをしてみたり。
(おぽのは二つ目と三つ目をやりました。)

『覚醒』は育成の面白さ抜きにして語れないタイトル。その一方でSRPGもう一本の柱、戦略シミュレーションとしての楽しさは…従来と比べて順位をつけるならそこまで高い位置にはおけません。

小難しい敵配置や増援などはなく、とにかく遊びやすさが重視されたタイトルでした。ゲーム難易度は大味で、ストレスがない感じです。


2|過去作に舞う炎

ストーリーを大雑把に説明すると、滅びの道をたどった世界から過去へと戻った王族の末裔と仲間たちが、プレイヤーたち親の世代と協力しながら世界を救うという過去改編のものです。

過去の親世代のキャラと未来の子世代のキャラが共闘する、というトコは、システム的にも物語的にもマッチしていて本当に熱い展開。前述の育成要素も相俟って、より自分の好みに特化した軍団を作れます。

聞いているだけでテンションが上がる設定、力の入った3Dムービーと抜群のBGMでめちゃくちゃ盛り上がること間違いなし!

事実、「この作品からFEを知りました!めっちゃ面白かったです!」というお話しは結構したことがあります。同好の士が増えることがこんなに喜ばしいとは。

…なんですが、どうにも、従来のファンからの評価は辛め…といいますか…しょっぱい…といいますか…。

そしておぽのも従来のファン側の人間。楽しんではいましたがが、あれはちょっとなぁ…という部分も当然あります。最新作『エンゲージ』ですらごちゃごちゃ言ったので、もちろん『覚醒』にもあったんです。

ずばり、言いましょう。

ヴァルム…テキストです。

特に過去作にかかわる部分のセリフや言い回し。何が問題なのかについては語るに長くなりますが――。

『覚醒』は、シリーズ3作目『紋章の謎』のマルスの時代から2000年経った世界。そしてマルスだけではなく、過去作品の英雄たちも同じ世界に存在していたことが物語となって残っているという世界です。

とんでもないファンサービス。今までのデインクリミア戦役だの、人竜戦役だのが一つの世界で起こっていたということが『覚醒』によって明らかになりました。(作中では「異界」などの設定で片づけることもありますが…)

要するにシリーズのお祭り要素も含んでいる作品です。なんとDLCで、過去の主人公たちの新規イラストが描き下ろされたり、「英霊の魔符」というシステムにより、イベントこそないものの、そのキャラクターを自分の軍団に加えてともに戦わせることができる、というファン垂涎のサービスがありました。

おぽのも当然喜んで飛びついたわけですが、当時としては値付けが内容に対して若干高めの印象があった上、そのDLCの中でのキャラクター扱いが…。

もしやその発言はネットミーム由来なのでは?と訝しみたくなる要素があったり、いやいや君はそんなこと言わないでしょ!と言いたくなるような言動をする過去のキャラクターがいたり…お出しされたのが、自身の思い出と似て非なるものだったことが大きな問題でした――。

後々配信された、滅びの世界の子供たちがメインのDLC『異界 絶望の未来』がそのテキストを含めてシナリオが好評だっただけに、最初から文章周りはしっかりしてほしかったというのが率直な感想。


3|スキ語りの(方)法

とはいっても遊びやすさは折り紙付きです。シリーズファンの方も増えました。それまで知る人ぞ知る、といったシリーズでしたが今でも最新作が発売されるぐらいのタイトルに変貌を遂げました。

とてもうれしい。今後も楽しみなんです。

FEファンはシャイなのか、あまり目立たずファン同士の交流の場はインターネットのディープなところにしかありませんでした。それが今ではSNSの普及などもあり、リアルイベントだけではなく、友人間でシリーズの名前を出すことも少なくないです。

そんな時代、『覚醒』の功績の一つは、すれ違い通信にあります。

任天堂の最後?の携帯機3DSの標準機能「すれ違い通信」を利用して、自分の育てた軍団をどこかですれ違った人に送り付けることができます。

送り付けた軍団はAIで動くため純粋な対人戦というわけではないですが、相手と戦うことができます。ただし、真骨頂は自分の好きなキャラの話題などをほかのファンに送ることができる、というトコ。

『覚醒』自体の話題ももちろん、自分の分身のキャラとお気に入りのキャラだけのオシドリチームにしてみたりとか、「英霊の魔符」をつかって原作再現チックなチームを作っていたりとか、七三軍団風のチームが送られてきたり、全然違うゲームの話してたりとか、強化した武器に名前を付けてショートメッセージ風の何かが送られてきたり、おぽのとしては初めて自分以外のファンと交流をするきっかけになったかと思います。

こうやってゲーム感想記事を書きたがるのも、源流までさかのぼると、『覚醒』のこの時の経験が影響しているのかもしれませんね。


間違いなく、おぽの個人では愛憎入り混じった不思議な作品ですね。


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