市民オペラに参加するということ 33
5月第2土曜日。連休明けの仕事で疲れて、練習をサボりたいという気持ちが生まれて葛藤するが、なんとか自分を奮い立たせて練習に向かう。ご丁寧にこの日は、練習の後にも予定を入れていたので、それもキャンセルするとなると、ややこしいことになるのだ。
この日の指導者は先週の副指揮者ではなく、会の代表者に戻っている。この日はソリストの練習参加もない。そしてこの日は先行チケット代の払い込みの日だったのを私はすっかり忘れていて、お金が足りるか心配になる。たまたまこの日は持ち合わせがあったのでホッとする。
練習はいつものようにまず発声から入ったので助かった。先週は久しぶりの練習だったのに、発声がなかったからだ。
発声が終わると、愛の妙薬の合唱部分を冒頭から歌うという。それとも練習したい箇所があればリクエストしてほしいとのことだったので、私は女声合唱の後半部分の自信がないことを伝えたかった。でも結局言えなかった。冒頭から始まって、注意事項は伝えられるものの、繰り返してやり直すことはなしにどんどん進んでいく。頭から全部やっていくので、一箇所だけ歌うような細かいところも、全て飛ばさずにやることになる。
これがよかった。歌うことをろくに認識さえしていない箇所が未だにあることが、よくわかるからだ。もちろんそんなところはまともに歌えるはずがないのだが、できないことを認識するのは重要だ。一箇所だけ突然出るようなところは、楽譜を折って印をつけておく。この歌えなさ加減は、不本意ながら、歌う場所を蛍光ペンで塗らなければならないかもしれないレベルだ。格好悪いのでそれだけはやりたくないのだが、それくらい私のレベルはひどい。もう5月だと言うのに大丈夫なのだろうか。
何とか1幕を終えると休憩に入る。休憩時間には、係の仕事を決める。どうやら立候補制のようなので、悪いなあと思いながらも、私は手を挙げずに終わる。全員が何か係につかなければならないなら仕方ないが、やらずに済むならそうしたいところだ。もし係の仕事を平日にやると言われたりしたら、仕事があるので困ってしまう。
休憩後は2幕を頭からやる。最近2幕をやる機会が多かったのか、2幕のほうがなんとなく覚えている箇所が多いくらいだ。
しかし問題なのは、何となくしか覚えていないということだ。長い休符のあとに歌うようなところは当然のように出られない。おまけに音程が怪しいところさえある。再来週から立ち稽古が始まると言うのに、私自身に関しては、とてもそんなレベルに至っていない。というよりこの曲は、嬉しいことでもあるのだが、合唱の登場箇所が多い。覚えなくてはならない部分が大量にあるのだ。これは立ち稽古になっても、楽譜を片手にやるしかないな、と思う。結構不安だが、今日はひとまず合唱が登場する箇所は、練習中に全部通した。そういう意味では、先週みたいにソリストが来たりしなくてよかった。合唱練習に集中できたからだ。結果、私がさらってほしかった箇所も練習できた。
来週も音楽稽古だし、立ち稽古までには何とかなるだろうか。まあ何とかするしかない。