法人営業を成功させる提案ロジックの組み立て方
株式会社openpage代表取締役の藤島です。
前回の記事では、法人営業の構造についてお話しました。
BtoBの取引において、顧客の購買は組織的な意思決定となるため、多様な意見を調整することが必要であることを解説しています。
本日の記事は、さらに深堀って、法人の意思決定=契約を獲得するための具体的なロジックについてお話します。
まずは、前回の記事のおさらいです。
法人取引においては、顧客の会社組織においての経営的な視点と、現場的な視点とを調整する。これにより、顧客の組織的な意思決定の合意を取ることを説明しました。
では、それぞれのステークホルダーに対して、法人営業担当としては何を伝えるべきでしょうか?
BtoBセールスにおける顧客の検討ロジックについて、例を紹介します。
法人営業おける顧客(経営者)の判断ロジック
まず、経営的な視点として、顧客は役職が上に上がるほど、経営戦略との合致度や経営トレンドとの親和性、また自身が責任を負っている業績への貢献や、取り組みへの費用対効果をシビアに確認します。
経営アクションに正解はありません。しかし、「正解になるように」正しく意思決定をしようと経営者であれば考えます。なんとなく良さそうだ、くらいでは購入の意思決定はしません。何かを発注するには、その背景には「理由」があるのです。
法人営業における顧客(現場)の判断ロジック
また、現場の視点は、購買に関する決裁権はないものの重要です。現場の業務に絡む取り組みの場合は「仕事が楽になるか」「自分のKPIやMBOに貢献するのか」などを気にします。
直接の意思決定は下せないものの、現場の人が誰もやりたがらない取り組みに対しては、さすがに会社として投資の意思決定はできません。仮にはじめから決裁者/経営者に営業アプローチをしても、現場が絡むものであれば普通は現場確認を行います。
そこで反対意見が強いようようでは、発注が進みにくくなります。現場が協力的になっているかはBtoBのセールスにおいて非常に重要です。
営業と顧客との二人三脚で社内説得ロジックを組み立てる
セールスとは、営業担当があれこれ考えて提案を行うイメージが強いですが、話を社内に通すのは顧客担当です。
ですから、実態としては、営業と顧客とが、二人三脚となって社内を説得するためのロジックや方策を考えて、進めていくことがBtoBセールスとなります。
社内にどのように説明すると話が通りやすいのか。営業担当が考えられるのがあくまで半分で、もう半分は社内事情に精通している顧客が知っています。
なにか新しい取り組みを始めるうえで、どういう建付けで進めるのか、社内にどう説明するのか、どんな話であれば社内は納得するのか、周りが賛成するロジックはなにか、どういう段取りで発注まで向かうのか。
目の前の顧客担当をまず納得させ、その裏にある発注に関わる組織全体を納得させる必要がある。これは顧客の投資の意思決定に絡むものですから、セールスだけが主導するものではなく、顧客も意思を持って進めるべきものです。
社内説得ロジックの重み付け
営業活動においては、製品資料をもって上から読み上げるトークをする方も多いのですが、何の話を重要としているのか、意思決定のときに気に掛けるのか、何かを決めるときの判断材料になるかは、顧客企業によって違います。
そのため、BtoBセールスでは、対話の中で、顧客にヒアリングと議論を交わしながら、自社の提案の中でも何の点を強調して、意思決定をしてもらうかの調整を行います。
自社の合意形成を取るにはこんな話をしなければならない、と分かるのは、半分は営業、半分は顧客です。正確には、顧客にとっても、どんな話の通し方であれば意思決定できるか。実はよくわからないこともあります。
それでも、こんな話をすれば社内で発注出来る確率が高いのではないか?と議論のうえ、提案内容をまとめていきます。話し合いのうえ、例えば、上記図で色が付いているところのポイントが重要であるなら、製品資料と+αの個別提案をその内容に寄せます。
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