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病は突然に~⑦術後の入院生活~

入院していると同室の人と仲良くなることがある
今回はお隣の人が話しかけてくれて仲良くなった
廊下の端の談話スペースに行って
いろんな話を聞いた
私はたいてい聞き役だ
趣味で作った作品の写真を見せてくれたり
昔は旅役者だったらしく舞台の写真を見せてくれたり
日向ぼっこしながらゆっくり過ごしていた

今回もまた自分の体の回復力に驚く
日に日にできることが増えていく
術後の体は重い
お腹の手術ということもあるのか
動くのが大変
まずベットで寝ている状態から体を起こすのが一苦労
ベッドの電動スイッチを駆使して上半身を起こしていき
最後に腕を使って体を起こしきる
そこから足をベットの下に下ろして
腕についている点滴のぶら下がったコロコロにつかまり
ゆっくり立ち上がる
一度立ち上がることができれば歩ける
小さな歩幅でそろそろと
お腹って全ての動作に関係するなぁと実感する

お隣さんも手術を控えていた
私が退院する日が手術日だったようで
お互いバタバタしているうちにお別れとなった
元気にしてるかな?

何年も前に入院した時も
同じ病室の人と仲良くなった
お互いに点滴のコロコロを連れていきながら
談話室でテレビを見たり
花火大会の日には廊下から花火を見たり
退院後も年賀状のやり取りは続いている
もう20年くらいは経っているかな
お元気だといいなと時々振り返る

歩けるようになったら退院だったが
お腹に力も入らないし
寝たり起きたりも体を支えながらゆっくり
階段の上り下りも一段ずつゆっくり
下着も手術痕に当たると痛いので
ゆったりしたのに替えた
洋服もお腹に当たらないようにワンピース
人から見るとたぶん分からないだろうが
色々な支障はあった

何ヵ月かかかって
元の動きができるようになっていった

子宮体がんという病気は
術後5年の生存率が80%らしい
多いのか少ないのか
半分以上だから多いとも言えるが
こういう時自分は
少ないほうに入ってしまうのではないかと
心配になる

退院後は抗がん剤の治療を始めることになった



続く














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