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成功が約束される選択の法則(著:ショーン・エイカー)

ショーン・エイカーさん(著者)をご存じでしょうか。
TEDの「幸福と成功の意外な関係」で知った人が多いかもしれません。(見てない方は冒頭のアメリカンジョークからお楽しみください)

ショーン・エイカーさんはポジティブ心理学の第一人者で、ハーバード大学で研究を重ね、ハーバードビジネスレビュー誌で表紙を飾ったこともある方です。本書の前に書かれた「幸福優位7つの法則」も有名です。

それでは、すこし読書記録を書き留めておきます。

他のお気に入りの本と同じく、「はじめに」の一文から私の中に入り込んできました。

人生にポジティブな変化をもたらしたいと思うなら、まず自分の「現実」を変えなくてはならない。

出典:成功が約束される選択の法則(著:ショーン・エイカー)

そうなんです。前の「幸福優位の7つの法則」も楽しませてもらったのですが、ポジティブ心理学を現実とどう融合していくのか考えていたところでした。そして、「skill 1 最も価値ある現実を選択する」の章へと続いていきます。

椅子がボルトで留められていなければ、今頃は宙を舞っていただろう。1人の士官が、これが「アングルズ・アンド・ダングルズ」と呼ばれる訓練なんだと説明してくれた。

出典:成功が約束される選択の法則(著:ショーン・エイカー)

いきなり何のことだ?と思われるでしょう。
海軍の奨学金制度で学んでいた時の出来事が紹介されていました。潜水艦の中のワンシーン。
詳しくは実際に読んでいただきたいのですが、「床は下にあるとは限らない」という意味合いの説明に活用されていました。

このあと、ものの見方や捉え方、知識の数だけ現実があり、認識によってはストレスもプラスに変えれるという話がつづき、ポジティブ心理学と現実をつなげる手がかりが一章から示されています。自分の視点は増やせば増やすほど良い、現実は捉え方しだいというスキルの話でした。

つづくskill 2 は、メンタルマップをつくる です。「意味マーカー」という重要なキーワードが出てきます。

「意味マーカー」というのは、自分が人生において何を大切に思っているかという「標識」である。

出典:成功が約束される選択の法則(著:ショーン・エイカー)

「意味マーカー」に基づいて成功への道筋を描いた場合に、ストレスレベルが大幅に下がるだけでなく、生産性が上がり、仕事の資格さと目標達成率が大きく向上し、仕事に対する情熱も愛着も飛躍的に増し、売上も改善し、「知性のプリズム」を存分に活用できる。

出典:成功が約束される選択の法則(著:ショーン・エイカー)

現実を作り出すskill1から成功へのルートを作り上げるskill2へとつながっていきます。
心理学者ロジャーズの自己概念の揺らぎや統合、近年のビジネスキーワードで登場してきているエンゲージメントにつながるような話です。やっぱり自己理解なんじゃないかな、と思えるシーンでした。(ちょっとご紹介)

まだまだ面白い章(skill)が続くのですが、最後に一番気に入っているフレーズをご紹介します。

避難経路を考える前に成功への道を描く

出典:成功が約束される選択の法則(著:ショーン・エイカー)

私の仕事のモットーの1つに「リスクはヘッジしないでテイクしてみないですか?」があります。それに通じるものがあり、お気に入りフレーズです。

すごくかんたんに私の理解を書かせていただくと、頭の中の容積には限りがあり避難経路を何パターンも考えていると成功への道を考えるスペースが狭くなっていくよ、という話です。(そう理解しました)

とても共感できます。ビジネスの世界では、どれだけリスクシチュエーションを考えたのか?ボトルネックになるものはなにか?を考えることが多いのですが、どんな成功パターンが考えられるのか?(もしくはどこまでを成功と捉えるのか?)を考え表現する場面は思いの外少なく、これからも意識していきたい。


国家資格取得後、オプキャリ相談所という名前でキャリアコンサルタント事業を始めました。 ”オプティミズム(optimism)”=楽観主義という言葉をクランボルツから学んだことがきっかけだと思っていましたが、実はその前に読んでいたショーン・エイカーのメンタルマップ戦略でその思考と出会っていたとは。

後半も体系的に ”ポジティブ” が腹に落ちてくる、お気に入りの一冊でした。

感謝。


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