ざっくり売上目標と決め事のすすめ
こんにちは金曜お昼になりました。手芸作家兼若手イラストレーターの展示をメインとしたギャラリーを運営している大図まことです。イラストレーターと手芸作家に向けた「仕事とお金の授業」15回目となる本日のテーマは「ざっくり売上目標と決め事のすすめ」です。
はじめに
仕事でも勉強でもスポーツでも目標を達成するために具体的なゴールを数字として最初に設定することがよくあります。会社に勤めていたら売上目標を設定し現在何パーセント達成しているのかや昨対比いくらなどと数字を確認しますし、勉強であればTOEIC何点以上だとかスポーツであればフルマラソン何時間以内を目指すなど目標を数字で最初に設定しますよね。
一方手芸作家やイラストレーターはビジネス面での具体的な数値目標を設定する事が難しい業種だと私は思っています。むしろその目標を設定すること自体あまり意味が無いのではとずっと思っています。売上に関して言えば1つ数百万の仕事が入れば簡単に前年比をクリアするだろうし、作品点数に関して言えば多ければ良いと言う問題でも無いです。とにかく仕事量も収入も波があり不安定だということが前提としてあります。
その売上目標に根拠はありますか?
私は今年で創立20周年を迎える台東デザイナーズビレッジというファッション・デザイン系に特化した創業支援施設の卒業生です。入居時は手芸作家としてビジネスをどう成長させていくかのヒアリングがインキュベーションマネージャーと半年に1度くらいありました。その際売り上げ目標をグラフにして提出するのですが毎回難儀していました。何十年か続けている人であれば過去の数字と照らし合わせて資料を作れると思いますが、そもそもこれまでの売上がほとんどなかったので全く参考には出来なかったのです。何の根拠も無く適当に毎月の売上目標を100万と設定し年商1,200万と書いて入居初年度は提出しました。そんな感じなので毎月100万の売上目標は一度も達成する事無くこのまま年間売上目標が未達成で終わりそうだなと思ったらその年の終わりに商品がメディアで大きく取り上げられて急に3,000万くらいの売上が立ってしまいました。翌年の税金がとんでもない事になったことは今では笑い話です。元々の売上が低い私のような作家の場合は伸びしろしかないんです。
▼デザビレに入居していた当時の記事が残っていました。
ざっくり売上目標のすすめ
とは言え数値目標はあった方が良いと思います。ただし当時の私みたいに何の根拠もないまま定めるのは良くないです。達成してもしなくてもそんなに嬉しくもないし悲しくもないからです。
オススメなのは生活していくにあたりその月に必要な最低限のお金(家賃、人件費、光熱費など)をベースにざっくりとした売上目標を設定しておくことです。厳密に設定する必要はないですが現実性のない目標値は無意味です。
今私は作家活動とは別にギャラリーを運営しているのですが毎月のざっくり売上目標は300万円です。この売上の中から約40%がギャラリーの取り分となり家賃や人件費を賄います。250万が損益分岐点です。数字が見えているのでそれを達成するために必要な事が明確に出来ます。自宅が作業場のイラストレーターであれば家賃や光熱費はプライベートと按分して計算してください。材料費が多くかかる手芸作家の場合は利益ベースで考えた方が良いかもしれません。あくまで厳密に計算するのではなく大事なのはざっくりした数字を把握しておくことです。だってその通りには行かないのですから。
決め事のすすめ
売上目標を達成するためには数字を設定しただけで、ただ闇雲に動くだけでは無く決め事を作って習慣化させることが大事だという事に気づきここ数年実践しています。これまで無意識でやっていたこともありますが、改めて自分の中で決めた事と意識するだけで気持ちも売上も大きく変わりました。
ビジネスに関係の無いしょうもないことも含め習慣化した私の決め事を書くので参考に出来そうであればしてください。
▼仕事の決め事
・メールは後回しにせず見たらすぐに返信することにした。これだけでタスクをいくつも抱えモヤモヤすることが無くなりました。
・仕事で必要なことやモノでお金で解決できることはすぐに解決することにした。借金してでもすぐ解決します。例えばもっと多くの人に作品を見てもらいたいと相談されたらデザフェスやコミティアに出たり、インスタ広告を出したりしてはどうかとアドバイスします。
・ギャラリーの売上は毎日分析し作家と共有することにした。結果だけでなく自分が感じたことも伝えます。
・会いたい人や会社や工場にはすぐ連絡を取り会いに行くことにした。その場に行って自分の目で見て担当者と話すと沢山の事がわかります。仲良くなれます。
・リスクを取らないことがリスクだと思うようにした。ほとんどの人がリスクを取りたがらないので才能が無い自分にとってはそれだけで一歩前へ出れました。
・迷うことをやめた。即断即決即行動。良いと思ったらすぐ行動に移します。今はこの考えが中心にあります。
▼プライベートの決め事
・近所の人にこちらから元気に挨拶するようにした。急にしようって思ったら意外とできた。気持ちがいい♪
・電車通勤を止め晴れた日は40分掛けて歩いて通勤することにした。頭がスッキリ!今朝はこんな出会いがありました。
・ベッドの上でスマホを見ないことにした。それまでは寝落ちするまでメールやSNSを見て仕事とプライベートの線引きが上手く出来ていなかった。
・無意識に寄っていたコンビニへ行くのを禁止した。まいばすはOK。
・毎週金曜お昼にnoteを更新することにした。初めは大変だったけど今は習慣化したのでやらない方が気持ち悪い。
・出来なかった事をズルズル引きずらないことにした。過去は変えられないけどこれからは変われるから。
これまでだらだら流されるように仕事をしてきましたが自分の中で決め事を作っただけで仕事も生活も少しずつ変わってきました。無理は続かないので出来ないことは逃げ道を作るか、そもそも決め事にしないことが習慣化するために重要です。手芸作家やイラストレーターであれば例えば毎週月曜15時に新作のイラストや作品をSNSにアップすると決めるのはどうでしょうか?出来たらアップするでは先延ばしになるかもしれないのでその場合は途中経過のアップでも良いと思います。まずは出来そうな事から自分なりの決め事を作ってみて下さい。
ざっくり売上目標と決め事のすすめ
私は以上の決め事を少しずつ実践し習慣化したことにより昨年度は当初考えていた毎月のざっくり売上目標が気づいたら1.5倍になっていました。企業として大人数で行う事業であればしっかりした数値目標を立てるべきですが個人で行う仕事であればそもそも目標通りにはいかないのでざっくり目標+決め事を作ってそれを続けること(習慣化)が大事だと実感しています。売上は自然と後からついてきます。さぁ今から始めましょう!