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イラストレーター、手芸作家向け「仕事とお金の授業」#10 ハンドメイド雑貨の量産化について
本日の授業内容
こんにちは金曜お昼になりました。手芸作家兼若手イラストレーターの展示をメインとしたギャラリーを運営している大図まことです。イラストレーターと手芸作家に向けた「仕事とお金の授業」祝10回目となる本日はハンドメイド雑貨の量産化についてです。今回は主に手芸作家向けの授業となりますが興味があるイラストレーターの方も是非読んでみて下さい。
量を作れないジレンマ
手芸作家として自分で作った物をminneやイベントなどで販売している人は既に多くいると思います。そこで人気が出てくると必ず頭を悩ます問題としてもっと沢山あれば売れるのにハンドメイドなので量が作れないというジレンマです。
その解決方法として思いつくのは外注(外部に注文して作ってもらう)やスタッフを雇っての量産化ではないでしょうか?
これから書くことで間違えないで欲しいのは何でもかんでも量産化すればいいというわけでは無い事です。前回の授業でも書いたとおり自分が作っているものと似たようなものが既に安い値段で売られていて差別化が出来ないものだとしたら”ビジネス”としてはそもそもそれを作る必要があまり無いのかもしれません。
※ハンドメイドを趣味で楽しむ話とは分けて考えてください。
それでは実際どうやって私がハンドメイド作品の量産化を進めて行ったのかを具体的に過去作った商品を例に話をしていきたいと思います。
刺しゅう掛け時計の量産化例
![](https://assets.st-note.com/img/1711027736312-ENSp1rUJYb.jpg)
刺しゅう枠で作った掛け時計 当時の価格は多分6,000円くらい
この時計は刺しゅう枠をベースにして文字盤も刺しゅうで作った掛け時計です。今から15年以上前に最初は手で刺しゅうをして時計を作る手芸キットとして販売をしていました。出来上がりが可愛いので完成品として仕入れたいというセレクトショップからの依頼を受け、手作業では到底無理なので量産化するために動きました。
アイテムにもよりますが量産化”卸し”の目安として300個以上の注文が見込めると外注しても大体値段が合うと思います。直販の場合はもっと少なくても合いますね。
1.工場探し
まず文字盤部分を作ってくれる刺繍工場を探します。今はネットで探せば沢山出てくると思うのでそこまで大変では無いと思います。その際、数社相見積もりを取ると相場が分かって良いです。価格の他に質や納期はもちろん、担当者との相性も長く付き合っていく上では重要なので総合的に見てどこに頼むかは決めてください。
▼私が当時工場をどうやって見つけたかはこちらに詳しく書いています。
2.材料問屋探し
時計のムーブメントや刺しゅう枠は価格を抑えるためにパッケージ無しのバルクで仕入れられる問屋さんを探す必要があります。どうやって探すかはとても簡単です。店頭で売られている商品の本体に記載されているメーカー名から連絡先を調べ仕入れをしたいので直接卸してもらえないか?それが出来ないなら問屋さんを紹介して欲しいと聞くだけです。
3.スタッフ探し
一番難しいのが時計を組み立てるスタッフの確保です。これも探せば外部で出来たかもしれませんが組み立てるコツが必要だったのとある程度の量が見込めたのでスタッフを1名雇うことになりました。最初のスタッフはたまたま出展した展示会で隣のブースのお手伝いをしていた方が器用そうだったのでうちでもお手伝いしてもらうことになりました。その後は求人サイトやSNSを使って集めました。
スタッフを雇う場合のアドバイスとしては最初にしっかり業務内容と給与、契約期間を決めておくことです。急に忙しくなったから人手が必要と安易に集めると、もし暇になったときに必ず揉めます。
![](https://assets.st-note.com/img/1711031911744-9fd6QWoxem.jpg)
この刺しゅう枠で作った掛け時計は外注することにより量産化に成功し単価も抑えることが出来ました。他の掛け時計と差別化が上手く出来たこともあり大ヒットアイテムとなり色んなキャラクターとコラボアイテムを作ったり、ギフトカタログに掲載されたりしてとても長い期間売れ続けました。
最後に
ここまで書いておいてですが、よっぽどの事が無い限り無理して量産化しなくても良いと思います。それよりも付加価値を付けて1つ1つのアイテムをしっかり値付け出来るようにした方が今の時代は合っている気がします。
最近ぬいぐるみ作家さんがヤフオクでご自身の作品を出品しているのを知って天才かと思いました。どれも数十万~で落札されています。こうなると量を作る必要はもう無いし、お店に卸す必要もありません。好きなものをとことんこだわって作ってそれに価値を見出してくれる方に販売すれば全然ビジネスとして成り立つんです。
自分に合ったやり方を是非見つけてください。今日の授業は終わりです。
本日の課題
自分の作品を量産化する場合、どのくらいの見積りになるのか調べてみよう。
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現在私が運営している蔵前のギャラリー「TOKYO PiXEL. shop & gallery」では3/24(日)17時までイラストレーター朝野ペコさんの東京初個展 「DROWSE」とアーティストせりのりかさんによる個展カワイガレニンゲンドモを開催中です!
TOKYO PiXEL. shop & gallery
〒111-0042東京都台東区寿3-14-13-1F
TEL:03-6802-8219
12:00~19:00
※展示最終日はギャラリー、ショップ共に17:00閉店となります。
▼イベント詳細などはこちらのHPでご確認ください。