「ぼく、おならしちゃうよ」
お風呂でのこと。
「ママ、みてて!ぼく、おならしちゃうよ!」
湯船につかる息子が、私に向って言う。
水面を見ていると、
「ポコ、ポコ、ポコ」
と、3連発が上がってきた。
2人で大笑い!
ヒーヒー言いながら笑っていると、
「しゃぼんだま、みたいね」
と息子が言う。
なに、その表現!?
ママの胸はキュンとする。
ママにおならを見てほしくて、コントロールしていたのって、すごい高度なこと!
それが面白いって分かってるんだから、なおさら。
息子の成長に胸が熱くなる。
時は遡って、今日の夕飯後。
「ママ!」
息子が、お茶碗洗いをしていた私に駆け寄る。
「なに?」
と、聞くと
「きょう、ママとおふろはいる。」
「おなかいたいのなおった?」
と、息子が言う。
そこで、ハッと思い出した。
数日前より生理が始まり、夫に子どもたちのお風呂を頼みたいとお願いしたのだ。
しかし最近の息子は、ママと入りたいと催促してくる。その日もグズって騒いだので、息子の目をしっかり見て、真剣に伝えた。
「ママね、いまおなかがいたいの。だから、パパとはいってくれる?」
そうお願いしたら、抵抗が少しずつ止まり、パパと脱衣所に向かってくれたのだ。
息子なりに理解して、受け入れてくれた。
その経過が数日前にあったから、私のお腹を気遣ってくれたのだ。よく覚えていたな。
自分の希望を我慢して、パパと入ったけど、そろそろ大丈夫かなと私に聞いてきたようだ。
お正月に宇都宮に帰ったときに、おばあちゃんが胃腸炎でダウン。
そのときも、「おなか、なおった?」
と、おばあちゃんに何度も声をかけていたっけ。
いろんな経験が積み重なって、息子の優しいところが育っている。そのことを知ると、胸にこみ上げてくるものがある。
自分の想いが通らないと、いまだに髪を引っ張ったり、噛みついたりすることもあるけど、少しずつ受け入れる術を身につけてきたんだ。
息子のペースで、ちゃんと成長している。
それに、今日はこんなこともあった。
お迎えのときのこと。
「冨田さん、今日は〇〇くんがすごかったんです!」
預かりの先生が声をかけてくれた。
私よりも年上のベテラン先生。
口を大きく開けて豪快に笑う、明るくて大好きな人だ。
その先生が、鼻息荒く伝えてくる。
冨田:「どうしたんですか?」
先生:「なんと〇〇くんが、体操の時間に体操着に着替えたんです!!!」
冨田:「えー!!!!!」
思わず叫んでしまった。
だって、ずっと体操着を着替えずに、制服のまま体操に参加していたから。
2学期が始まった9月から体操が始まり、体操着に着替えるのがお約束。でも、息子は拒んでいた。それが、4か月経過して、ようやく受け入れてくれたようだ。
それまで、クラスの先生も声をかけながら、息子のペースを待ってくれていた。
ありがたいなぁ。
先生:「今回は着てますので、洗ってきてください!」
冨田:「えー!もったいなくて洗えないです!!(笑)」
一同:爆笑
どの先生も息子の成長に合わせて、細やかに声をかけてくれる。
息子は預かり保育が大好き!年少のクラスが終わってないのに、1人で預かりクラスに来てしまうほど。
そんなときも否定せずに、臨機応変に対応してくださり、声をかけてくれる。
息子にとって、信用できる大人とのやりとりが増えるほどに、できる所作や語彙が増え、視界が広がる。思いやりの心が育つ。
では、私は母として、この子に何ができるだろう。
感情を受け止め、甘えさせてあげる。
逃げ場をつくってあげる。
どんな息子も受け入れる。
褒める
信じる。
諭す。
叱る。
私は決める。
力を抜いて笑っていようと。
ママが楽しそうにしてたら、きっと子供たちに伝わる。自分の母の笑顔と激励で、何度も救われてきたから、今度は私が子どもたちに差し出す番だ。
愛情を出し惜しみしない。
それが私のできること。
今日は思いがけない成長のプレゼントを受け取りました。
ありがとう、息子。
明日もいっぱい遊ぼうね。
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