小澤征爾さんのこと-坂本龍一さんに導かれて
僕がクラシックに親しむようになったのは、 #坂本龍一 さんの手ほどきによるものでした
なぜだか手元にあった #グレン・グールド の遺作の周年を企画にした #バッハ 特集というムックの改訂増補版と、彼のディスコグラフィーを隅から隅まで何度も繰り返し飽きることなく読んで、中でも1995年に行われた #浅田彰 さんとの対談には特段に惹かれて「クラシックとはこんなものかな…」という感じで捉えることができ、晴れて自由の身になって聴いてみると(おそらく)それほど外してなかったので、これは自分がというよりも浅田彰さんや坂本龍一さんの理解がそれほどのレベルだったということなのでしょうね
かつて新聞に連載をお持ちになられていた #吉田秀和 さんの独特の言い回しの記事も興味深いものでした
グールドのデビュー盤を大いに評価し、次に酷評されてしまった #ベートーヴェン に期待大だと締めくくる内容でしたから
しかしながら、坂本龍一さんはその後すぐにお亡くなりになられました
#YMO の頃からなんとなく苦手で距離を置いてきた方ですが、主にYouTubeに残された音源や映像を浴びるよう聴いていたものです
それらはどれも魅力に溢れるものでした
「人間味」のあるものも沢山含まれていましたが、そうしたものもなかなか面白い彼の人となりを教えてくれています
坂本龍一という巨大な存在が居て当たり前だったからこそ反発することもできたんのだとつくづく感じながら、噛み締めるように半年くらいは聴き続けていたように思い返します
年末にかけて特集号を出す雑誌が増えてくるようで、改めて今時点で振り返ってもいいかなとも
で、今朝は #小澤征爾 さんに連想が向かいました
#ドゥダメル 指揮の #ベルリンフィル が、なかなか大きな規模の来日公演をするとのニュースを読んで
この先こうした公演が果たしてまたやってくるのかどうかとも思い、行けるものなら是非とも行きたいと感じながら、「白人」男性指揮者しか居なかった時期に世界的に活躍した小澤征爾さんが切り拓いた道をドゥダメルも進んでいるのだと振り返り、小澤さんも間違いなく傑物だったと頭の中で繋がっていったのです
坂本龍一さんからグールドのバッハを通じてクラシックの聴き方を教えてもらった者からすると、小澤征爾さんは大仰に過ぎるようにも感じられてあまり積極的には聴いてこなかったのですが、十分に言葉も通じない海外に出て孤軍奮闘を重ねながら地位を確立するには、そのくらいの「ケレン」があっても当然かという結論になりました
オーケストラの一人一人との対話を大切にされたとは聞いていて、ならば指揮者としてそうした振る舞いになるのも当たり前ではないかと
ベートーヴェンのピアノ協奏曲五番『皇帝』を見比べてみると、結構大きな違いがあることが初心者にもわかるものになっています
小澤征爾さんは、決して誰からも認められるキャリアを持って海外に出て行った人ではありませんでした
そこから始まる彼の音楽人生は、上質な映画のようにも感じます
坂本龍一さんが対談の中で嫌いだと言っていた #ルービンシュタィン の #ショパン も今では案外悪くもないかもと聴いていたりします
グールドはショパンをほとんど録音していませんが、 #モーツァルト でさえヘンテコな解釈で演奏するような人なので「まぁそうなるのかな…」という感想にはなりました