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映画感想文2022

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記事一覧

映画感想文~マルモイことばあつめを振り返る

マルモイことばあつめは一番観たかった映画で鑑賞したが、期待通り文句なし素晴らしかった。
何度も観たい韓国映画の一つにあげたい。さすが、監督がタクシー運転手約束は海を越えての脚本家。個人的にはダブル主演だと思っているが、ユン・ゲサンとユ・ヘジンの二人のやり取りが最初はぎこちなかったが、段々と朝鮮語の辞典を作り祖国のためにお互いが協力し合うあたりから呼吸があってくる演技は素晴らしかった。
ラストシーン

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映画感想文~1982年生まれキム・ジヨンを振り返る

韓国文学のベストセラー1982年生まれキム・シヨンが映画化され観てきた。
原作を読んでいたので内容はスッと入れた。原作の内容に似たシーンもありながら内容は変えている。原作同様に重たい内容で、色々考えさせられた。
チョン・ユミの演技も見事だがやはりコン・ユ、キム・ミジョンと韓国ドラマでお馴染みの俳優の演技が良かった。
この映画は切り口も幅広く、終わった後も余韻が残る。原作を読んでからの鑑賞を奨めたい

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映画感想文~共犯者たちを振り返る

共犯者たちは今の日本の政治、メディアがあの有様だからこそ韓国の現状を学ぶ事ができるには一番いいドキュメント。
色々考えさせてくれたし、李明博、朴槿恵政権は韓国のKBS、MBCに介入し放題だった現実は今の日本の某国営放送と同じだなと肌で感じた。政治だけでなく韓流エンタメも政治は介入するんだとこのドキュメントで知った。
日本も対岸の火事ではない。もう手遅れか。この映画を観て何か学んで欲しいし、日本の韓

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映画感想文~キネマの神様を振り返る

今さらながらキネマの神様を観た。
ストーリー的には不合格だが山田洋次監督が映画関係者、映画ファンに伝えたい事が満載の映画だった。昔の映画撮影風景をあえてストーリーにして昔の映画関係者はこれだけ撮影に熱く取り組んだ。
今の映画関係者もコロナ禍に負けない映画を作ってほしい、映画ファンもアニメたドラマの映画化ばかりでなく本当の邦画、洋画を愛してほしいと山田洋次監督らしいメッセージが盛り込まれていると肌で

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映画感想文~金子文子と朴烈を振り返る

私自身金子文子、朴烈について不勉強のまま鑑賞した。
大正時代の関東大震災の出来事で、多くの朝鮮人が虐殺された中、日本政府に立ち向かった人物がいた。金子文子と朴烈である。二人の勇敢さに圧倒された。
特に、抵抗する日本人金子文子の演技に脱帽。演じたチェ・ヒソの流暢な日本語セリフにも感服。この映画は日本の現在の諸問題にもリンクする。
日本の韓流エンタメファンはぜひ観てほしい。考えさせられる。

本日も拙

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映画感想文~真実を振り返る

今さらながらCSですが、日仏合作映画真実を観た。もちろん字幕で。
フランス映画は個人的なイメージで疲れるイメージがある。このイメージを上手く活かした是枝監督のプロデュース力が見事。内容はイメージ通り疲れる内容だが、カトリーヌドヌーブの女優としての演技、オーラに圧倒された。晩年の女優の演技力の苦しみをドヌーブは見事に活かした。
また、フランスの名優カトリーヌドヌーブを上手く活かした是枝監督、そしてカ

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映画感想文~エクストリームジョブを振り返る

エクストリームジョブを観たが、予想以上に楽しい映画だった。
麻薬捜査班が昼はチキン屋経営、夜は麻薬捜査の設定は単純ながらこういう手があったのかと驚かされた映画。捜査がなかなか上手くいかない。
麻薬捜査班解体寸前でも、チキン屋をやりながら必ず麻薬犯を捕まえる信念と、チキン屋が予想以上に繁盛して刑事とチキン屋の繁盛の両天秤に悩むコ班長役のリュウスンリョンの葛藤ぶりの演技が見応えがあった。
コメディ半分

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映画感想文~母との約束、250通の手紙を振り返る

予告編を観て気になって観にいったが、想像以上に重たい映画。
胸が痛むし、辛い内容だった。しかし、息子ロマンの成功を願う母の思いに応えたいが、重圧に耐えられないプレッシャーがスクリーンから伝わった。
回想録風の映画だが、もう少しストーリー構成が分かりやすい内容にしてほしかった。この点でマイナス。しかし、第2次世界大戦下の空軍に入隊したロマンを例にした戦争のリアル感、ロマンと女性のラブシーンの激しさ、

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映画感想文~ヨーゼフ・ボイスは挑発するを振り返って

この映画はチラシを見てヨーゼフ・ボイス自身に興味があったので、気になっていた。
彼に関して色々調べてから観にいった。
ボイスはドイツの美術・彫刻家だが、私は美術・彫刻に詳しい方ではないので真面目に見るよりもボイスの言葉・考えに注目して観た。
結論は色々と考えさせられた。ボイスは美術や彫刻だけでなく経済問題や社会問題も詳しく今の日本、資本主義や民主主義が危機、終焉を迎えつつある今だからこそこのボイス

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映画感想文~THE UPSIDE 最強のふたりを振り返る

フランス版の最強のふたりは未見だが、ハリウッド版を観た。
ホームページなどで試写会に来たタレントの感想や映画雑誌のレビューなどをチェックして行ったが、予想以上のリメイク映画で良かった。
アメリカ社会の現実を見つつ介助士が資産家の介護をしながらもっと人生を楽しもうよというテーマは色々考えさせれながらも、ハリウッド版らしい最強の2人もまたいい。
監督が、よほどフランス版の最強の2人を観てアメリカ版への

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映画感想文~スウィングキッズを振り返る

スウィングキッズは前から気になっていた韓国映画で観てきた。
朝鮮戦争時代の収容所での話で米軍のダンス担当が捕虜を集めてダンスショーを開催する。南北朝鮮の捕虜の気持ち、心境、EXOディオは北朝鮮軍役だが思想が強くても米軍ダンサー役のタップダンスに最初は抵抗してもダンスに惹かれるが、北朝鮮軍の捕虜の仲間の気持ちの葛藤に揺れる心境、気持ちが見事に演技として良かった。タップダンスさえあればイデオロギーなん

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映画感想文~女王陛下のお気に入りを振り返る

イギリス版大奥と言っていい歴史映画。脚本、主演、助演女優の演技は見事で、なるほどアカデミー賞にノミネートされても納得できる。
どうすればアン王女に気にいられるか。レディサラとアビゲイルの駆け引きは見応えがあったし、アン王女のように権力を握った女王の苦悩も肌で感じ観て良かった。ただ、私は監督のこの映画で観客に伝えたい事がはっきりしないし、映画のようで海外ドラマシリーズっぽい内容である事、もう一つは観

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映画感想文~さよならテレビを振り返る

東海テレビのドキュメントは評判が良く私も気になっていた。一番の心配は東海テレビのPRドキュメントになっていないか心配だったが、これはまったく杞憂でさすがドキュメントに力を入れている東海テレビだけの事はある。
放送業界の現状の厳しさ、制作過程を追った内容は評価したい。キャスター、派遣記者、契約記者の視点で追ったのは分かりやすいし、このドキュメントはテレビ業界だけでなく、働き方改革、派遣問題など今の日

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映画感想文~ KCIA 南山の部長たちを振り返る

南山の部長たちはまずこの時代の韓国の軍事独裁政権下のKCIAなどある程度の予習はして観た方がいい。韓国の社会政治サスペンスだが色々考えさせられた。
時代背景、ストーリー的には様々な考え方があり個人的には評価できないが、やはり南山の部長たちは俳優陣。主人公のイ・ビョンホンは説明不要の圧巻の演技力だが、脇役のイ・ソンミン、イ・ヒジュンの役になりきった演技が素晴らしい。
この三人の演技を観るだけでもこの

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