巷で話題になってる「年収の壁178万円に引き上げ」「7.6兆円税収減」を解説
どうも、大河内薫です。
年収の壁について最近話題になっている政策提案について、税理士の視点から詳しく解説します。特に国民民主党が提案する103万円から178万円への引き上げについて、その影響と意義を考えていきましょう。
■注目を集める年収の壁の議論
年収の壁が選挙戦から大きな注目を集めているのです。国民民主党が「103万円の壁を178万円にする」という政策を掲げていますね。
日経新聞では、この政策について7.6兆円の税収減という観点から報じています。まるで財務省の広報担当をしているような印象すら受けるんですよ。
■年収の壁の仕組みを解説
では、年収の壁とは何なのか、確認していきましょう。
現状の103万円という数字は、給与年収額面でこの金額を超えなければ、税金が全くかからないという基準なのです。
計算の仕組みはこうです:
給与額面:103万円
給与所得控除:55万円が引かれる
残り48万円から基礎控除48万円が引かれる
結果、課税所得がゼロになる
■基礎控除引き上げの効果
今回の提案の中身は、基礎控除を75万円引き上げて123万円にすることなのです。これによって、ほとんどの人に恩恵があるわけです。
この国では最低税率が所得税5%、住民税10%なので、税金を払っている人は最低でも15%払っているんですよ。75万円の基礎控除増加により、年間11万2500円から減税になります。
所得税20%までいっている人なら、住民税と合わせて30%になるので、年間22万5000円の減税効果があるのです。
■報道の問題点を検証
日経新聞は「高所得者ほど税負担軽減の恩恵が大きくなり、公平性が課題」と指摘しています。
でも、これはおかしな論理です。そもそも所得税は累進課税制度を採用しているわけですから、高所得者の方が税負担が大きくなるのは当然なのです。基礎控除引き上げによる影響が大きくなるのも、制度の自然な結果というわけです。
■税収への影響分析
税収について見てみましょう。この国では4年連続で税収が過去最高を更新しています。
来期も1兆円から3兆円、4兆円ぐらいは税収が増えそうなのです。つまり、7.6兆円の減収の半分ぐらいは今期でカバーできる見込みです。
それでも懸念があるのなら、基礎控除の引き上げ幅を40万円程度に調整することも可能です。2、3兆円の税収減であれば、24年度の税収増加分でカバーできるわけです。
■まとめ:持続可能な経済成長に向けて
年収の壁の引き上げは、消費促進策としても有効な政策だと考えられます。本当は消費税の一時的な減税という選択肢もありますが、それが難しいのであれば、この現実的な対応を進めていくべきでしょう。
一番美しい税収の形は、法人税と所得税が自然に上がっていくことです。経済の発展により、企業と個人の所得や利益が上がり、結果として税収も増えていく。これが持続可能な形なのです。
■お知らせ
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それでは、素敵な1日を。
最後まで読んでくれたあなたに、幸あれ✨じゃあね!
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