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大阪府が所得制限なしの高校授業料無償化へ...問題点が1つだけあるよ!

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/660/598642
※大河内薫マネリテラジオVoicy 2023年8月28日放送より

どうも、大河内薫です。
今日は教育の話です。
大阪府が都道府県で初めて「所得制限なしの高校の授業料完全無償化」の法案を決定しました。来年度から段階的に実施していくそうです。

これはすごいことなのですが、一つだけ議論していかなきゃいけない問題点があるのでお話します。


◾️完全無償化…これは計画経済

高校の授業料無償化、完全無償化、所得制限なし…皆さんはどう思いますか?

素晴らしいことだなぁと思います。
でも、1点だけ抜け落ちちゃいけない視点があるんですよね。
所得制限なしで完全無償化にすると、完全なる計画経済が出来上がるということなんです。

無償化するということは、学校側はお金を受け取りません。生徒側からお金を受け取らないんです。
じゃあ誰からお金をもらうのか…国側です。
国側からお金をもらうということは、完全なる計画経済になるということです。

計画経済になるということは、授業料は学校側が決めていくのではなく、政府と業界団体が仕組みを考えていくことになります。

◾️計画経済の代表、医療制度

計画経済といえば、やっぱり医療制度ですね。
医療制度は、僕たちは3割負担だし、高齢者の方は2割負担ないし1割負担です。

医師会が診療報酬を上げるためにどうすればいいかというと、医療を受ける側の僕たちに訴えかけて値段を上げるのではなくて、政治力を駆使して国側に診療報酬を上げたいですって訴えかけるんですね。

ということは、計画経済は既得権益を新たに生む可能性があるということになります。

当然、政府側と業界団体はしっかりと結びついています。
各政党ごとに業界団体を抱えていて、そこからの票を期待している…という事実があります。
だから例えば与党、自民党は医師会を無下にすることはできないわけです。
つまり医師会も政治を無下にすることはできないということですね。
だから既得権益みたいなものになっているというのが計画経済の問題点だと思っています。

◾️完全無償化と計画経済

これらの話を踏まえると、所得制限のない授業料完全無償化というのは、その授業料に関して教育側の業界団体と政府がタッグを組んでいるので、議論しなきゃいけないところだと思うんです。

大阪府でもそれは当然あると思います。
全国でやりましょうと吉村知事は強く訴えていますが、全国に広がるともっともっとその問題は膨れ上がると思います。

ここをどうにかしなきゃいけないって僕は思うんだよね。
「所得制限ありだと完全無償化じゃないから全然ダメじゃん」という声も聞こえてきそうですが、これは単純に「お金を持っている人からしっかり取りましょう」という意味だけではなくて、「完全なる計画経済をそこで排除していますよ」という意味もあるんだってことを僕たちは覚えておく必要があります。

◾️VIP戦略

極論ですが、例えば所得1000万円以下の人は無償化です、それより上の人は授業料を払ってもらいますとなったときに、その授業料をべらぼうに高くすることはできるわけじゃないですか。
当然不公平だし不満も生まれるけど、それは理論上できるわけです。

それで何が起こるかというと、学校側は完全計画経済から逃れられるので、授業料を上げたいと思ったときに自分たちの意思でデザインをして授業料を上げていくことができます。

ここで思い出したいのがVIP戦略です。
簡単に言うと、例えば飛行機は、エコノミークラス、ビジネスクラス、ファーストクラスがあって、ビジネスクラスとファーストクラスはめちゃくちゃ高い。でもその高い料金を払ってくれているから飛行機を飛ばすことができている。サービスの違いをつけて、出せる人に出してもらっているんです。
もしビジネスクラスとファーストクラスがなくて全部エコノミークラスになったら、当然エコノミークラスの値段は上がります。

ここがVIPをデザインするというところですね。
価格設定で非常に注目されている部分です。

◾️VIP戦略×教育!?

マネーリテラシーが高い運営や経営では、このVIP戦略が非常にうまく使われています。

所得制限を設けるということは、このVIP戦略の余地を残すという考え方もあるんですね。
だから高校の授業は所得制限ありで無償化にして完全計画経済をさせずに、かつ学校側の経営に任せるというのは、一つありの戦略だと思うんですよ。

でもそこで非常に重要なのは…これは教育というところですね。
飛行機とか新幹線とかライブのチケットとかだったら、VIP戦略として値段をいっぱいもらう代わりにVIP待遇のサービスができますが、教育でお金をもらってVIP待遇する…それまた違う話ですよね。
教育は公平でないといけないので、根深く難しい問題だと思います。

◾️まとめ

所得制限がない完全無償化を、両手を振ってバンザーイって喜ぶだけでは少し足りなくて、この議論は国会を交えて全国レベルでしていかなきゃいけないよね。

大阪府がやりました、全国も真似してやりますという感じで、今の政治がいきなり全国完全無償化というのはやらないと思いますけど、やったらやったでかなり難しい部分あるので、この議論は注目していきたいですね。
僕にはアイデアがまだないけれど、考えていきたいなと思います。

一説によると、大学まで完全無償化をするのに、国会予算はあと5兆円あればできるそうです。消費税を1%上げると税収が約3兆円増えると言われているので、消費税を2%上げると完全無償化は簡単にできるんですよね。
さらに国債とかに頼れば、消費税を1%上げればできるという話もあるので、資金力の問題ではないんですよね。やろうと思えばできるレベルなので、みんなで建設的な議論をしていかなきゃいけないなと思います。
皆さんもご意見等々ありましたら、コメント欄でお寄せいただけたら嬉しいです。

最後まで読んでくれたあなたに、幸あれ✨じゃあね!

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大河内薫"お金の学び"ノート
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