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石破内閣は「1億円の壁」を壊すのか?
(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/660/6116873
※大河内薫"お金の学び"ラジオ Voicy 2024年10月9日放送より
どうも、大河内薫です。
今日は超富裕層課税について、深掘りしてお話しします。新首相の石破さんの発言をきっかけに、この話題がまた世間をざわつかせ始めているんです。でも、本当のところはどうなのか、一緒に見ていきましょう。
■1億円の壁とは何か
1億円の壁というのは、年間所得が1億円を超えると実質的な税負担率が下がり始める現象を指すんです。これは、高所得者に有利な税制だと批判されることがあるんですよ。
日経新聞の10月6日の記事でも取り上げられていたんですが、そのグラフには大きな問題があるんです。グラフの横軸の目盛りが、突然1000万円から100億円に飛んでしまうんですよ。これじゃあ、正確な状況が把握できませんよね。
このようなグラフは、1億円を境に税負担が急激に下がるという印象操作をしているんです。 これは事実を正確に伝えているとは言えません。
超富裕層課税にゆがみ 日本は「1億円の壁」、海外も課題https://t.co/zPMINR3OtD
— 日経ビジュアルデータ (@nikkeivdata) October 6, 2024
2022年分の申告納税者の所得でみると、所得5000万円超〜1億円以下の層の税負担率は26.3%なのに対し、所得100億円超の層では17.2%に下がります。株式などの譲渡所得(税率は一律)が占める比率が高まるからです。 pic.twitter.com/DjKH9KR7Yp
■なぜ税負担率が下がるのか
では、なぜ高所得者の税負担率が下がるように見えるのでしょうか。その理由は、所得の構成にあるんです。
1億円以上の所得がある人は、通常の給与所得や事業所得に加えて、大きな金融資産からの所得(配当金や株式売却益など)を持っていることが多いんです。そして、これらの金融所得には一律課税で約20%の税率が適用されるんですよ。
例えば、1億円の給与所得に45%の最高税率がかかり、さらに5億円の配当所得に20%の税率がかかるとすると、トータルの実効税率は下がってしまうんです。ゆえに、全体で見ると税負担率が下がっているように見えるわけです。
■税制改革の難しさ
この状況を改善するために、金融所得課税の強化が提案されています。しかし、これには慎重な検討が必要なんです。
金融所得への課税を一律に引き上げると、中低所得者の資産形成にも影響を与えかねません。例えば、給与所得には5%の最低税率が適用される人にとって、金融所得への30%の課税は大きな負担になるかもしれないんです。
資産形成を促進しながら、公平な税制を実現するには、きめ細かな制度設計が必要なんです。
■所得税率の不自然さ
実は、現在の所得税の税率にも大きな問題があるんです。税率が0%、5%、10%、20%、23%、33%、40%、45%と、不自然な数字になっているんですよ。
特に注目すべきなのは、23%の税率が適用される所得帯です。これは給与所得で言うと約1500万円あたりになるんですが、この層には多くの官僚が含まれるんです。つまり、税法を作る立場の人たちの税率が、不自然に低く設定されているんじゃないかという疑念があるわけです。
■より公平な税制に向けて
税制改革を考える上で、まず取り組むべきなのは、こういった不自然な税率の是正ではないでしょうか。1億円の壁の問題も重要ですが、その前にやるべきことがあるんじゃないかと思うんです。
完璧な税制は難しいかもしれません。でも、あまりにもずさんな部分は改善できるはずです。専門家の知見を活かしながら、より公平で理解しやすい税制を目指すべきなんです。
■まとめ
1億円の壁の問題は、確かに存在します。しかし、それを議論する際には、正確なデータと公平な視点が必要です。印象操作的なグラフや一面的な議論は避けるべきでしょう。
また、高所得者の税負担を考える際には、彼らがその資産を形成する過程で納めてきた税金も考慮に入れるべきです。長年にわたる努力と貢献の結果として得られた資産に対して、過度に重い課税をするのは適切ではないかもしれません。
税制改革は慎重に進めるべき重要な課題です。金融所得課税の見直しだけでなく、所得税率の不自然さの是正など、総合的な視点から改革を検討する必要があるんです。
僕たち一人一人が税制について理解を深め、建設的な議論に参加することが、より良い社会を作る第一歩になるんじゃないでしょうか。みなさんも、ぜひこの問題について考えてみてください。
それでは、素敵な1日を。
最後まで読んでくれたあなたに、幸あれ✨じゃあね!
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