【後編】インボイス制度導入から1年、深掘り考察 〜本当の目的とは何なのか?〜
どうも、大河内薫です。
インボイス制度導入から1年。大騒ぎされた割に社会は意外と変わらず。でも、その裏に隠された本当の狙いとは?税理士の視点から、制度の影響と今後の展望を解説します。
■予想外の平穏:インボイス制度1年目の実態
インボイス制度導入から1年が経ちました。結果はどうだったでしょうか?
意外にも、大きな社会変化は起こりませんでした。
確かに、事務負担が増えたり、仕事が減ったりした人もいるでしょう。でも、人生が180度変わるほどの影響を受けた人は少なかったんじゃないでしょうか。
ある会社が予測していた「年間4兆円の事務負担増加」も、現実にはそこまでの影響はなかったわけです。
これって、適切な知識があれば予測できたことなんですよね。過激な反対運動を行っていた人たちも、悪意があったわけじゃない。単に知識不足による勘違いだったんでしょう。
結局のところ、この問題の根源は国のアナウンス能力の低さにあるんです。これが改善されない限り、今後も同じような混乱が繰り返される可能性があるんですよ。
僕たちも含めて、どうやって国のアナウンス能力を改善していくか考え、実行していく必要があるんです。
■数字で見る驚きの結果:予想を上回る課税事業者
商工会議所の調査結果を見てみましょう。これがまた、びっくりするような数字なんです。
インボイス制度導入前の推計では、400万ほどいる免税事業者のうち、160万事業者(約40%)が課税事業者になると予測されていました。
実際の結果はどうだったと思います?
なんと、BtoB(企業間取引)を行っている事業者の73.3% が課税事業者になったんです!BtoC(対消費者取引)の事業者でも25%が課税事業者を選択しています。
この数字、国の予測を大きく上回っているんですよ。つまり、インボイス制度をきっかけに課税事業者になった人が予想以上に多かったということ。
この背景には様々な要因があるでしょう。制度がよくわからないから取り敢えず登録した人もいれば、しっかりと知識を持って比較検討した上で課税事業者を選んだ人もいるでしょう。
■今後の展望:徐々に変わる取引環境
今後の展望も興味深いんです。
BtoBの取引をしている事業者で、まだ登録していない27%のうち、64%が今後登録を考えているそうです。結果的に、「しょうがない、課税事業者になろう」と思う人が非常に多かったということですね。
課税事業者側の調査も面白いですよ。インボイス番号を持っていない事業者との取引を継続している会社が74%もあるんです。ここからも、免税事業者が急激に仕事を失うような事態にはならなかったことがわかります。
ただし、今後も継続して取引する予定の会社は半数を下回っています。つまり、2社に1社以上が、インボイス番号を持っていない事業者との取引を徐々に切り替えていく予定だということ。
免税事業者の方々は、この点をしっかりと確認しておく必要がありますね。
■現場の声:税理士からみたインボイスの影響
僕の周りでも、予想以上に多くの人がインボイス番号を取得していました。ただ、番号を持っていない人との取引については、ケースバイケースで対応しています。
例えば、サロンメンバーやコミュニティから派生した仕事の場合は、番号の有無は関係ありません。でも、突発的な仕事や新規の取引の場合は、今後はインボイス番号を持っている人を優先して選ぶかもしれません。
これには理由があるんです。インボイス番号を持っていない事業者への支払いに対する課税事業者側の負担が、今後段階的に増えていくからなんです。
2026年10月には負担が50%に、2029年10月には100%になります。
この2つのタイミングが、今後の大きなポイントになるでしょう。
■意外な勝者:知らぬが仏?
では、このインボイス制度で誰が幸せだったのでしょうか。
皮肉なことに、知識が全くなく何の準備もしなかった人が、ある意味で一番幸せだったかもしれないんです。
制度が始まった後に「へー」と思って、今から準備を始めた人たち。生活はそんなに変わっていないので、心的ストレスも少なかったでしょう。
一方で、昨年10月に向けて「どうしよう、どうしよう」とストレスを抱えていた人たちは、結果は同じでもストレスの度合いが全然違ったんじゃないでしょうか。これは、社会全体が制度の影響を過剰に煽ってしまった結果だと言えます。
もし、みんなが正しい知識を持ち、適切な方向を向いていれば、もっとスムーズに対応できたはずです。この点は、メディアのあり方も含めて、今後の課題と言えるでしょう。
■隠された本当の狙い:消費税増税への布石?
最後に、国の本当の狙いについて考えてみましょう。
表向きは免税事業者を課税事業者に変えて税収を増やすことが目的とされています。でも、裏に隠された本当の狙いがあるんです。
それは、消費税増税への外掘りを埋めたということ。
つまり、将来的な消費税増税に向けて、反対派の主張を封じ込める狙いがあったんじゃないでしょうか。消費税増税が加速する可能性は、最近の政治情勢を見ても高まっています。財務省は今にも笑っているかもしれません。15%への増税も、案外早く来るかもしれません。
ただ、経済が停滞しているときの消費税増税は、最悪の選択肢の一つです。何とか止めたいという思いはありますが、個人の力でどこまで影響を与えられるかは分かりません。
それでも、今回のインボイス制度の本当の目的が消費税増税の地ならしだったという点は、しっかりと覚えておく必要があります。
■まとめ:正しい知識で未来を見据える
インボイス制度は、表面上の影響以上に深い意味を持つ制度だったのです。今後の政策や経済の動向を注視し、適切に対応していくことが重要です。
これからも、お金の教育や経済政策について、正しい知識を持ち、適切に判断していく必要がありますね。
それでは、素敵な1日を。
最後まで読んでくれたあなたに、幸あれ✨じゃあね!
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