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【Day21:塾をやる理由】

地域おこし協力隊として、地元の福岡県八女郡広川町にUターン。
2022年1月より、学習教室「irodori Study Lab」を運営している井上涼です。
irodori Study Labでは、ICTを活用し、一人ひとりの興味関心に合わせた探究学習、そして、英語学習を通して「想定外の未来をつくる」ことをコンセプトに活動しています。


なぜ塾をやっているの?


広川町には一般的に学習塾と言われている場所が僕が知っているだけでも5校以上はあります。(個別でされているところも含めるとまだあるはず)

それは僕が小学生の時から変わっていません。

じゃあ、なんでこれだけ塾がある町にわざわざ新しく塾を作ったの?
地元だから?新しいことをやりたいから?子どもが好きだから?どれも正解ですが、「一番は住む街を楽しくしたいから、自分が幸せになりたいしそこに関わる人たちにも幸せになってほしいから」です。僕は自分が好きな人の幸せは自分の幸せにもなると本気で思っている派です。

塾じゃなくても他にやり方あるんじゃない?たしかに住む街を楽しくしたいなら、役場職員になる、地元企業に就職する、学校の先生になる、カフェを開業する、イベント屋さんになるなどやり方はさまざまですが、塾(教育)をやっている理由は"うしろめたさ"があるから。

6歳の時に両親が離婚してから、じいちゃんばあちゃんっ子で育った僕は大事に大事育てられました。父は単身赴任でほとんど家にはいませんでしたが、仕事以外の時間は全て犠牲にして子育てに捧げてくれました。自分がやりたいと言ったことは一度も否定せず、どんなにお金がかかることでも一切口を出さず、とことんやらせてくれました。何をやるにしても、「お前がきめろ」この一言だけでした。ずっとサッカー選手を目指していたわけですが、結局夢を叶えることはできませんでした。高校生活を無駄にして、その反発から強豪大学に入ってからプロという世界が一気に近いものになり、チャンスはたくさんあったものの、肝心なところで自分で掴みにいく勇気がなく、そのチャンスが来ると自ら逃してしまう、めちゃくちゃビビリで弱い人間でした。
今になって思います。「まだまだやれた」と。だから、サッカーをやめるときは一生この後悔と付き合いながら生きていく覚悟でやめたと同時に、こんな中途半端な結果になってしまって父に本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。なので、次自分が人生懸けてこれだと思ったものに出会えたときには何がなんでも絶対に掴んでやるという決意を決めました。これまで家族が人生を懸けてまでくれた最高の教育環境を無駄にしてしまったからこそ、今があるのです。

大切にしたいこと


Day13の時に、サッカーが教えてくれた教訓ベスト3のうち一つは「長く走るには適切な休みも必要」そんなことを言いましたが、間違いなく1番の教訓になっているのは、「学び、考え、表現する。」ということ。

「学び、考え、表現する」ということを、現時点で最も理想な形で表現できる場が塾だと思い、今の事業をやっています。

いわゆる学校でのお勉強はやってこなかった僕ですが、(と言っても高校のレベルが低すぎたのでずっと1,2番でしたw)サッカーをそれなりにやってきて言えることと、周りの勉強でも勉強以外でも楽しそうに生きている人たちをそれなりに見てきて感じたのは、結局自分でやらないと伸びないということ。高いお金を払って教え方がどんなに上手な先生やコーチがついても、自分でやる気持ちがない限り何をやっても伸びないと思っている派です。勉強は嫌いじゃなかったけど、やる楽しさがわからなかった。僕が塾をやっているのは勉強を教えるためではなく、

・学ぶことが楽しい!もっと学びたい!と思える機会づくり
・一緒になって考えてくれる人、伴走してくれる人がいること
・かっこいい大人と出会えること
・いろんな世界との接点が持てること

これすなわち、カオスですw

ここを場として整えることができれば、絶対に成績はついてくると思っています。楽しいと思うことができたのなら、可能性は無限です。だから、それをやるのです。決して成績を伸ばすためではなく、「より多くの人が自分のため、人のために愛を持って主体的に行動している社会」にするために。これはirodoriのビジョン。

社会に出るための準備として学校があるのだろうけど、子どもたちの今は今しかない。覚えることが先じゃなく、まずやってみることが先。実践の振り返りとして知識を蓄える。いざボールを蹴ってみないと、どこから蹴ろうかといつまでも考えているだけでは何も始まらない。今はなんだかそれが逆になってしまっているから子どもたちはなぜ勉強するのかがわからんと言って勉強嫌いになる子が多いんじゃないんだろうかと、、。探究学習、体験学習に重点をおいているのはそこが理由です。もちろん教科学習も大事だし、目標校に合格するための努力、準備も一つのプロジェクトだしそれはそれでむっちゃ大事だと今になって気づきました。しかも、これだけ質の高い教育を全国どこへでも平等に届けられる仕組みを作ったのはただただすごい。だし、別に「学び、考え、表現する」ことができれば探究学習じゃなくてもいいんです。今のベストがそこなのかあと。社会をより良くしようとしすぎたおかげでいつからか学ぶ本来の目的が失われたように思います。

そして、「まちづくりは人づくりから」が本当なら、このカオスな場を整えられれば世界は変わるはずです。昨日も明石市長が子どもを本気で応援する社会になれば日本は変わると言っていましたね。

とはいえ、まずは地域社会に認められるための活動を地道に行っていかないといけないので目の前のことを必死にやっていますが、見ている世界はまだまだ先です。これからです。いろんな人にお世話になりながら、もっともっとかっこいい場にしたいです。

卒業した子たちが、「俺ここの塾やったとばい!」っていつかは自慢しているはず。

子どもたちにとっても自慢の場所にするためにも、今人生めっちゃ楽しい!と思っている人もそうでない人も、みなさんにはぜひぜひ遊びに来てほしいです。

最後に、想定外の未来をつくる、とirodori Study Labは謳っているし、なんか新しいものをやっていると思っている方もいるようですが、新しくもなんともありません。この学び場は、本来当たり前にあるべきものだと思っています。

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