人材育成-目標設定は型がある。失敗させない目標の立て方
こんにちは、Arteryex COOの小野澤です(CMOからCOOに変わりました)。
今日は人材育成の中でも私が最も重要だと思っている「目標設定」の方法について解説していきます。
今まで多くの人の成長サポートだったり、それこそパーソナルトレーナーとしてダイエットをサポートしているときもそうだったのですが、目標設定が上手にできている人は
成長スピード
達成率
継続率
が高い傾向にあります。逆に目標が「人から与えられたもの」だったり「ふわっとしているもの」だったりすると途中でさよならしてしまう人が多い。
だからこそ、しっかりと目標を立てて自分自身で走れる状態にしてあげる必要があるんですよね。
目標設定には型があります。今回ポイントとなるのが
について解説していきます。また今回は人材育成として関わる部下の目標設定目線で書いていきますので、ご自身で目標を立てたい方は少し視点を変えながら読み進めてみてください。
目標設定の方法
さて、今回解説していくプロセスは大きく3つ
目的から目標を立てる
目標を評価する(SMART)
戦略を立てる
です。特に重要なのが、2と3でやってない人が大多数の領域。ここができるとあなたの目標設定能力は個人としてもチームとしても周りから頭一つ抜けるでしょう。
ちなみに目標設定ってなんとなく済ませる人が多いと思うのですが、結構ここは時間をかけて本気で取り組んだ方がいいと思ってます。
そして私の場合は2~3回の1on1を通じて目標設定をしていくことが多いですね。
というのが私の行う一般的な1on1の流れ。育成される側も大変だとは思いますが、育成する側の力の発揮どころの1つが目標設定。
1個1個わかりやすく解説していきますね。
目標を立てる
さて、目標を立ててもらうにはまずは、3年後どのようになっていたいか?老後どうなっていたいか?などの将来的なところから入っていくと必要な情報が入ってきます。つまりクエスチョンの投げ方としては
将来、長い目線でどういう生活を送っていたいかな?老後とかどういう生活をしているのが理想?
例えば3年後、今の会社に居続けたとしたらどんな働き方をしていたい?マネジメントをしていたいか、今のスキルのスペシャリストを目指したいか、はたまた他のこと、、、?
それに向かって今年1年で目指したいゴールはなんだろう?どうなっていると3年後その働き方を実現できるかな
(会社の評価指標を参考に)それぞれどこの分野を伸ばして、どうすることでそれが実願できるかな?
この中で注力したいポイントや、、、、、
といったように大きなところからブレイクダウンして、1年後以内の具体的な状態を立てるようにしましょう。ここまで来たらまずは1st STEPはクリアです。
が、多くの人はここで終わってしまい、結果的に1年後「あれ、どんな目標立ててたっけ?」となります。年始に手帳に書いたけど、年末に初めて見直すあの現象ですね。
それを解消するためにフレームワークを使いながら残り2つのステップをクリアしていきましょう。
目標を評価する
続きまして、評価。ここはSMARTというフレームワークに沿って立てた目標を評価していきます。
の5つの項目で評価していきます。
極端な話、「来期こそは営業成績を上げるぜ!!」という目標。勢いあって「頑張ってこい!」と送りだしたい気持ちもありますが、このままだと危険です。というより目標になってないです。(笑)
(具体的): なんの目標を設定しよう?新規顧客からの受注件数
Measurable(測定可能): どれくらいの数値を達成できそうかな?50件
Achievable(達成可能): これって今年の実績踏まえて達成可能なのかな?前年比130%
Relevant(関連性): 事業にどのように影響するか。(ここは部下に聞かなくていい)営業部門の目標として適切
Time-bound(期限): いつまでに達成しよう?今年度終了タイミング、来年3月
などを詰めていった結果、「来期こそは営業成績を上げるぜ!!」から
「今年度終了時(3月)に、新規顧客からの受注件数を前年同期比130%の50件達成する」というより具体的な目標に落とすことができました。
ここまでくれば、じゃぁ具体的に何をしていく必要があるだろうか?というアクションプランを立てることができますね。
ということで最終ステップ、戦略立案。。。
戦略をたてる
最後は先ほど立てた「今年度終了時(3月)に、新規顧客からの受注件数を前年同期比130%の50件達成する」を達成する戦略を立てましょう。
戦略の立て方については長くなるので、別で記事を書く予定ですが例えば以下のようなものを考えられるといいでしょう。
問題は何か?(現状と目標のギャップはなにか?)
問題の要因は何か
それをどう解決していくか
目標達成のためにやめることはなにか
どれくらいの時間、コストをどこにどれだけ配分するか
この目標を達成するのに障壁となりそうなものは何か?そしてそれをどう回避するか。回避できずに障壁に直面した時にどうするか
などですね。ちなみに、今までの経験上ここの戦略立案に苦手意識を持っている人がかなりいるイメージです。
上司として、全力でサポートしてあげましょう。
これでひとまず目標設定は完了です!
人材育成において目標設定をしないとどうなる?
ちなみにですが、目標を設定せずに人材育成を行おうとするとどうなるでしょうか?
結論、無駄な時間が生まれます。何の意味のない業務報告や前に進まない雑談が行われる1on1が続くことになり、どちらにとっても不毛な時間ですね。
もし今のこういう状態になっている人がいたら、今すぐ目標設定をし直してください。
目標設定の前提-人材育成はつらいよ
で、目標設定やってみよう!で動くと失敗する人がいるので最後のアドバイスとして、上司目線でどうしたらいいか?を軽く記載しておきます。
①自分のチームの戦略を踏まえてうまく誘導する
まずは自分のチーム全体の目標を持った上で部下の目標設定をすることが必須です。
というロジックを頭の中に持っておく。これがないと、わけのわからない目標になってしまい部下が路頭に迷います。チームとして向かっている方向とは別に向かうなんてことがないようにしましょう。
➁立てた後、定期的に振り返り評価する
ここは定石ですが、年度初めに目標立てて年度末に評価して。これやめましょう。
必ず半期に1度、余裕があれば3か月に1度はゴールとの差分(問題)を明確にし、次のステップを明確にしてあげるようにフォローアップが必要です。
私は定量的に点数をつけてもらいながら振り返る時間を設けてます。
③なるべく介入してあげる
➁に近いかもしれませんが、なるべく介入してあげましょう。どういうことかというと、「お前が立てた目標だよな?やれよ」というスタンスではなく「一緒に達成しよう。問題は俺も一生懸命解決方法考えるぜ」というスタンスになりましょうということ。
基本的に仕事なんて嫌になったら転職すればいいやーと思っている人が大半の中目標設定して、好きでもない上司にいろいろ聞かれて,,,で放置。戦略ってなに?ってか上司の目標なんだよ、こいつちゃんと考えてんの?となるのが普通でしょう。
せめて、一緒に本気で考えてくれればまだわかる。好きでもない上司だとしてもね。この状態を最低限目指しましょう。
そして逆に目標を勝手に自分で立てて、勝手に成長する人はほっとけばいいんです。むしろ介入したらいけないタイプの人。こういう人は必要な時に声をかけてね、でいいんです。が、世の中そんな人だらけじゃありません。私も過去2,3人くらいしかいませんでした。
なので、多くの部下とは一緒に悩む。真剣に悩んで、結果が出せたらそいつの頑張り。この介入の仕方が必要となるでしょう。
まとめ
ということで目標設定について書きました。1,500文字くらいで済むかなと思っていたら4,000文字近くいってしまいましたね。振り返ると
目的から目標を立てる
目標を評価する(SMART)
戦略を立てる
の3つのプロセスを大事にしましょう。上司と部下の関係は非常に複雑で介入度も困りますよね。
でもここだけはしっかり介入してあげてください。
ゴールが明確であれば人はなんだかんだで動けます。地図があれば大体の人はゴールに迎えるんです。
でも目的地と行き方を一人で作れない人がほとんど。そこをサポートしてあげるというイメージで目標設定してあげてください!