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【2020年 前半戦終了!】半年のケガレを祓う「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)」

いよいよ6月も残すところ、あと数日ですね!

6月は上半期の最終月、その”最後の日”である6月30日の 16時より「夏越の大祓」が斎行されます。

耳馴染みの薄い方もいらっしゃるかと思いますが、この「夏越の大祓」は、神道の「祓え」という考え方や、キレイ好きな日本人の衛生観念がとてもよく表れている神事でもあります。

今日は、その由来と変遷をご紹介いたします。


今年の大祓式は境内にて斎行いたします。雨天の場合、一般の参列はご遠慮いただき、神職のみで本殿にて斎行となりますことご了承ください。また、6月30日・7月1日は「お山開き」年に2日間限定、国の重要有形民俗文化財指定の富士塚の開山日でもあります。こちらの記事も併せてご覧ください!


「夏越の大祓」とは?

「大祓」の歴史はとても古く、公の祓えの行事として正式に制定されたのは701年の大宝律令とされ、1300年以上の昔から続けられてきました。

一年を半期に分け、毎年6月30日と12月31日の年に2回、心身のケガレや、災厄の原因となる諸々のツミ・過ちを祓い清めて、改めて半期を振り返り、残る半期の無病息災を祈ります。

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普通に生活していても、知らず知らずのうちに大小さまざまなツミ(罪)や過ちを犯していたり、不浄やネガティブに触れることでケガレ(穢れ)を身体に溜めてしまいます。
ケガレとは、生気が弱まった「気」が「枯れ」ている状態、ストレスがたまり、心がつかれた状態を指します。

ツミやケガレが蓄積された状態は、例えるならば「泥沼に足を取られて思うように動くことができない状態」。「祓え」を行いツミやケガレを解除していくことで、心と体を整え気を良める(清まった)元の活力のある状態に戻します。

大祓の後は自分が積み重ねた半年を省みて、次の半期に臨みましょう!

「夏越の大祓」でどんなことをするの?

「夏越の大祓」では、

・大麻(おおぬさ)・切麻(きりぬさ)・形代(かたしろ)などの祓具を使った祓
・大祓詞(おおはらえことば)の奉唱
・茅の輪くぐり(ちのわくぐり)

など、何度も祓えを重ねて行うことで、半期分の積もり積もったケガレを祓い清め、活力のある元の気が良い状態に戻していきます。

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こんな時だからこそ、ケガレを落として元のフラットな自分に立ち返りたいもの。
ケガレを落として残りの半年を元気に過ごしましょう!


茅の輪(ちのわ)と形代(かたしろ)

「夏越の大祓」では、境内に茅がやで巻いた大きな「茅の輪」を設置されます。

「茅の輪」は蘇民将来(そみんしょうらい)伝説に由来するもので、「スサノオの強い霊威と、青々とした茅の旺盛な生命力によって災厄をまぬがれる」といわれています。
祓えのひとつとして、「水無月の夏越の祓する人は千歳の命のぶというなり」と唱えながら、茅の輪を左、右、左と八の字に三度くぐった後、半年間の無事を神様に感謝するとともに、残りの半年間の無病息災を祈ります。

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また、大祓式ではお祓いの際に、ケガレを移して自分の身代わりとして清める「形代(かたしろ)」を使います。紙で作った人型の形代で全身を撫でることで体の外側をのケガレを、息を吹きかけ内側のケガレを移します

形代は、社務所にてお分かちしております。
大祓の前日までに氏名、生年月日を記入し、初穂料を添えてお納めください。

夏越の大祓



古来から信じられてきた水の「清める力」

祓えは「大麻」や「切麻」などの道具を用いたり、鈴の音で清めたりなどいろいろな形式がありますが、その中でも「水」は代表格。
水には「穢れを払い、身を清める力」があるとされています。

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神社に参拝する際には、手と口を水で清める「お手水」を行いまよね?
これは海や川の水で体を清める禊(みそぎ)の簡略版と考えられています。

また、当社の表参道の入り口に石橋がありますが、かつてはその下を小川が流れていて俗世と神域を分けていました。
神社の入り口には今でも、手水や禊に用いられていた御手洗川(みたらいがわ)が流れていることがあります。

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神事の中でも、塩湯を榊の小枝の先につけて祓ったり、夏越の大祓の形代も水に溶ける素材のものでつくり、水に流すことで祓い清めたり……水は広く祓えに用いられます。

日本人の衛生観念は、こういった様々な神道の考え方が文化や風習として根付いて、育まれてきました。
今回の大祓の形代も、最後に形代流し神事を行い、水に流して祓い清めます。

6月30日の16時より、半期に一度の心身の大掃除、奮ってご参列ください!


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◆小野照崎神社(おのてるさきじんじゃ)

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東京の下町 入谷にある学問・芸能・仕事の神様をお祀りする神社です。
御祭神は、平安時代有数のマルチアーティストである 小野篁(たかむら)公。文鳥を愛する絵画の神様で、百人一首にも登場したり朝は朝廷に夜は冥界に出勤される多動な神様です。852年⛩創建 、境内には重要文化財の富士塚も🗻

東京メトロ 日比谷線 入谷駅 4番出口 より徒歩3分
JR山手線 鶯谷駅 南口 より徒歩7分






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