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天皇が「シラス(知らす・治す)」国 ~最古の歴史書『日本書紀』を読む~

今回は、日本最古の歴史書である『日本書紀』についてのお話の続きです。


今回は日本最古の歴史書『日本書紀』についてのお話ですが、「『日本書紀』は難しい」というイメージを持つ人は多いかもしれません。

確かに、『日本書紀』を読む際には翻訳や背景の理解が必要で、内容も難解な部分があります。

しかし、『日本書紀』に基づいた昔話や童話も多く存在するため、実際に読んでみるとどこかで聞いたことがあるようななじみ深いお話も多くあります。神話は私たちに身近な存在なのです…✨

では、今回も日本書紀の世界へと誘います!


◆神話に記される「シラス」とは

皆さんは、『日本書紀』に記される「シラス」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。

漢字では「知らす・治す(シラス)」と記載します。
もちろん魚屋さんで見かける稚魚の「シラス」とは別物です。

「シラス」とは、天皇が国と民に深い関心を持って広く知ることで環境を整え、国民は一丸となって天皇が与えた稲(富)を利する
この両輪で統治をする国づくりのことです✨

統治といっても武力や権力による「力の支配」を行うのではなく、深い結びつきの中で国と民を広く【知り】、その在るべき姿を【天皇自らがお示しになられる】ことで、天皇と国民が「共に歩み、育んでいく」。

これがこの日本という国のコンセプトであり、そうした姿勢で国が治まる在り方を最上とする考え方
こそ、「シラス」なのです✨

「シラス」は、天照大御神が授けた3つのお告げ(三大神勅しんちょく)の中の、天壌無窮てんじょうむきゅうの神勅」の原文などに見られる、特徴的な大和言葉やまとことばです。

今上陛下まで126代にわたり連綿と紡がれた天皇の在り方、日本の国柄のもといとなる考え方になっています。

毎年の節目にはお言葉があったり、祭礼にて日々平和の祈りを捧げられたり、災害時には積極的に足を運ばれたりと、心を砕かれているお姿をニュースなどで拝見する機会も多いですが、陛下は皇居内の水田で公務のかたわら自ら稲作に取り組まれているのをご存じでしょうか。

この際に収穫された米は宮中祭祀の神嘗祭かんなめさい新嘗祭にいなめさいなどの祭典で神々にお供えされている大事なお米です。

斎庭稲穂ゆにわいなほの神勅」での誓いを、今も自ら実践されているのです。



◆皇后さまが受け継がれる伝統「養蚕ようさん

また、『日本書紀』には"天皇が皇紀に桑摘みと養蚕ようさんを勧められた"という記述があります。

これに倣って、皇居内には「紅葉山御養蚕所もみじやまごようさんじょ」という養蚕所が設けられており、歴代の皇后陛下はご養蚕を行われてきました。

神職や雅楽等、宮中や神社の祭礼で使われる装束類は、基本的にすべて正絹で作られており、絹糸を大量に使用するだけでなく、質の良い極細の絹糸でなければ出来ない物事も多く存在します。

こちらでは、民間でも産出量が限られる小石丸という品種の保存にも取り組まれ、その上質な絹糸は、宮中の行事でのお召し物や外国への贈り物にされるだけでなく、歴史的な絹織物の修復に使われているなど文化の保全にも繋げられています。

各地の古代遺跡から出土した糸端も小石丸種であったりと、昔からの様々な技術やノウハウが連なって構成されている伝統文化を継承するということは、歴史的資料の修復や復元など「古い知恵に触れる鍵」を受け継ぐことともなります。

「絹を守る」ということは「日本の文化を守る」だけでなく、”先人たちが創造してきた固有の価値を守る”ことにも繋がっているのです。

天皇陛下の稲作も皇后陛下の養蚕も、いわゆる「ご公務」とは違い、皇后さまの養蚕含め「伝統文化の継承」に位置づけられています。

御心を「シラス」行為として、昔と今の“こころ”を繋ぐ伝統文化の継承を御自ら行われているのです😊



◆養蚕にちなんだ当社の「まゆ玉みくじ」

当社には、そんな皇后さまの養蚕にちなんだおみくじがあります。神様からのお言葉を天然の繭に包んで守り届ける「まゆ玉みくじ」です。

まゆかいこを守り育むものであり、古来から神様へ捧げる最高級の献上品である絹を産することから、「福を招くもの✨」「災厄を退けるもの🔥」とされています。

また、おみくじには神様からのお言葉として、今のご自身に必要な言葉が記されています。
神様の示された言葉を大事に守って、繭に入れて結んでいただくことによって、新たな良き明日を育むことができます…😊

境内に結び処のご用意もございますが、引いたおみくじはぜひお持ち帰り頂き、節目節目に見返してください。

また、もうひとつの繭のおみくじ「幸せみくじ」はフクロウの姿を模したかわいらしい形をしています🎵

同封の「願い文」に願いを託し、御神前の結び処に繭ごと結ぶことで願いを育みます。

知恵の象徴とされているフクロウ。
"フクロウ"という名前は不苦労ふくろうと、「福が朗々ろうろうとあるように」、という言葉とも掛かります🦉

おみくじに書かれた言葉を自らの心に照らし合わせ、神様のお導きを戴いただかれ、心豊かにお過ごしください😊

当社では、今月来月と2か月に亘って続く四面となる、「秋奉 紅葉×銀杏」「みのり×むすび」「神嘗祭×新嘗祭」の特別御朱印をそれぞれご用意しております。

知らされた御心が実を「むすび」、日本が平和で「みのり」多き国でありますようにと特別に奉製した御朱印になります。

どうぞこの機会に是非ご参拝いただき、秋の実りへの感謝をお納めください🙂

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