たかが留学で価値観が変わるのか?
結論、結果的に変わります。ほぼ確実に変わります。
ただ、ここで勘違いしてほしくないのは価値観は”結果的”に変わるものであるという点です。
つまりは、留学や旅行で価値観を変えるのは、その行く先で”何か”を体験して、自分の今までの経験則からは考えられないことが起きるからです。
要は、
今まで考えたこともないことが目の前で起きたが故に、その事象や文化を認めないといけない
ということです。
変に言葉で纏めようとすると難しいですねw
例えば日本では箸でご飯食べるのに、海外ではナイフとフォークでご飯を食べるとかですね。今となっては、日本人は当たり前のようにナイフとフォークを使えますが、昔はそうでなかったように、他の文化と触れ合わない限り、”ご飯=箸で食べる”という常識(価値観)は変わりません。
今回、なんでこの記事を書こうと思ったかというと価値観を変えるために留学しようと思っているという意見を聞いたからです。
別にこの目標設定が間違っているとは言いませんが、少し違う気がします。
価値観を変えるために行ったら行ったらで、価値観を変えなきゃいけないのような強迫観念に襲われる可能性があります。そんな追い込まれながら価値観を変えていったら、すこし疲れるだろうし、すこし偏った意見や思想にたどり着く可能性もあるので...…
まぁ、強迫観念があると”変わらないといけない”と思うじゃないですか、これって”自分の意見が世界では間違っている”という前提のもと生まれているので、相手の意見を正として受け取ってしまうんですね。
私もそんな時期がありましたw
箸で食べるのなんておかしい!!って言われて、それを正として受け取ることはないと思いますが...…w
今、昔の自分に言えることがるとすれば、
「楽しみなさい、そして様々なことを経験してから、結論を出しなさい」
と言うと思います。
今となっては、私たちがする留学などの挑戦や日常生活は、僕らが結論を出すための判断材料集めに過ぎないと思っています。
さて、今回は価値観を変えることについて思うこと少し話したいと思います。
そもそも価値観ってなんだ?
難しいですねw
哲学的な部分に足を突っ込んだら負けなので、簡単に。
価値観が変わる瞬間って、
今まで1+1=2って思っていたら、ある日急に同級生から、
1+1は田んぼの田だろ!!!って言われるようなものです。
アホみたいにくだらないですけど、これ以降に1+1は?って聞かれたら、解答としては”2”か”田んぼの田”という選択肢が出てきます。
上のデジタル大辞泉にちなんで言うと
この1+1という物事を評価するとき、トンチに走るか、数学的な答えを導くかという2つの価値(観点)があることを認めているということです。
これが中学に入ると2進数という価値が出てきて、1+1=10(2)という判断が下される時があります。
要は、ここで言いたいこととしては、自分の知らないことを知った瞬間に価値観は変わり始めるということです。
となると、結果的に価値観が変わるのは必然であるというのは納得できたかと思います。
判断材料を集めれば価値観はかわるのか?
Q 突然ですが、上の写真をパッと見て何を感じますか?
ここで出てくる解答例としては、
・ドイツのスーパーではたくさんのケチャップが売っている。
・ハインツはドイツにもあるんだ!!
・300円もするんだ
・パッケージが全然違う
・なんかケチャップ以外に変なの混じってね?
他にもたくさんあると思いますが、大方こんなもんでしょうかね。
これをドイツに住んだことがある私が見ると、
・カレーブルスト用のケチャップはクノールが好き(私の好みなだけ)
・ハインツはコスパいいんだよなー
・瓶タイプは使いずらい
・カレーブルストなんてそんな頻繁に自宅で食べないから買ったことないな
こんな感じになると思います。
全然、ドイツエアプ勢を批判しているわけではなく、ここでのこの両サイドの答えを比べてほしいのです。
この意見の差はどこから来るのか?
単純ではありますが、
・ドイツに住んだことがある
・実際に使ったことがある
・ドイツ人と一緒に暮らしたことがある
など、実際に経験したり、見聞きしたことがここでの答えの差が起きた要因となります。
要は、実際に何かに触れるという経験(判断材料)を積むことで、答えが全然変わるということです。この時点で価値観は既に変わっています。
ここまでは前章での振り返りみたいなもんです。
判断材料の集め方を間違ってはいけない
ただ、もしここで使ったことが無かったり、ドイツ人の食生活を知らなかったり、ドイツ人と暮らしたことが無かったりしたら?
もしかしたらここでの答えはこうなってしまうかもしれません、
①ドイツ人は毎日カレーブルストを食べているからスーパーにもソースがある
②ハインツはドイツ語表記だからハインツの本拠地はドイツに違いない!!
③ドイツはトマトケチャップにこだわっているからいっぱい種類がある!!
こんな意見にたどり着いてしまうかもしれません。
ものすごい極論なのでここまでの意見を出すことはそうそう無いと思いますが...…w
軽く説明すると、
①は全部の家がそうじゃない、日本人は毎日寿司食べてるんだろって言っているようなもんです。勿論、そういう家があってもおかしくないけど...…
②についてはハインツはアメリカで創業された会社、創業者のハインツさんの両親がドイツからの移民だからドイツ語読みでハインツと読むだけ。
③、この写真の中だとBIO(有機栽培)は一つのみ、どちらかというと”こだわり”ではなく、企業競争が激しいのほうが正しい。
この結論にたどり着いてしまった原因は何か、簡単です。
文化を見ただけであるということです。
そう、見ただけで判断しているんですよ。
例えばですが、
例A
ドイツのクリスマスマーケットは思っていたよりも小さい!!(2021年)
→そもそもコロナ禍だったから縮小されてたし、しかもここはデュッセルドルフでミュンヘンとかのほうが有名でしょ!!!
例B
ドイツの飲料水が高すぎる!!!
→キオスクで買うから高いんだよ!!!!スーパーで買え!!!
上の例のように見るだけではその知識が本当にあっているかの答え合わせが出来ていません。いわゆるフィードバック機構と言われるやつが無い状態で結論を出してしまっていますね。
もし例Aだったら、コロナ禍だったから次の年に行く、現地人にいつもはどうなのかを聞くなどの答え合わせや、他の都市のクリスマスマーケットに行くのような共通項探しをすればこんな結論には至りません。
例Bは実はあるあるですw
スーパーに行かず駅のキオスクで買い物をしてれば、ドイツの物価が高いように感じますが、実際にスーパーに行くと水やビールも安いですし、野菜に関しては日本より安いものもあります。現地の生活と旅人では生活圏が違う故に生まれる結論のすれ違いです。
例Bに関しての余談ですが、様々なVlog動画などをみると空港のキオスクで水を買ってドイツ高すぎる…みたいな話があるんですけど、そこから5分くらい歩いたところにスーパーあるのに...…っていつも動画を見ていますw
さて、話を戻して。
ここまで少し例を交えて話しましたが、ここで言いたいことは判断材料を集めるだけでは価値観のアップデートとしては不適切であるということです。
価値観を変えるためには、その事象について様々な観点から見てみたり、対照実験のように比較してみるなどをしてからアップデートされるというものです。
最初に言っていたように、強迫観念に迫れて価値観を変えていたり、自分の意見が間違っていると最初から決定づけていたりしたら、結論を急ぎすぎたり、片方の意見だけを鵜呑みにしてしまったりしまう恐れがあるというのはこういうことです。
どんなに自分の今までの価値観からしたら間違いな気がするけど、海外だからという一言で括って結論を出してしまってはいけません。
なら、それに気を付けて留学すればOKやん!
少なくともそうだと思います。
価値観のアップデートには様々な意見や観点から考えるという行為が必要だと思います。
ただそれが、本当に正しいと言い切れますか?
正直自分にこの質問が来たら、怖くて泣いちゃいますw
でも、これはフィードバック機構の一種で、絶対に考えなくてはいけません。
さて、ここである意見について。
ドイツでは大学院に進む人が大半だ。
こんなうわ言聞いたことありませんか?
実際に自分の数少ないドイツ人の友達は大学院に進んでいます。
これだけ聞いたら、すごい!!まじめな国だなぁとか思うと思います。
やっぱり私の周りにいるドイツ人は大学院に進む人が多いらしいよ!
しかも大学、大学院はほぼ無料で通えるなんて最高!!!
だからドイツの一人当たりのGDPが日本より高いんだ!!
もしかしたら、留学を終えてそう思うかもしれません。そういう価値観へとアップデートされているかもしれないのです。
さて、ここに関しては、以下の通りです。
要は自分はこの40%を引いたという訳ですね。
留学生として留学していることを忘れてはいけない
でもこれって学生として留学したから見える部分だけではありませんか?
留学生としてドイツに行って、特に大学の交換留学なんて、留学中に出来る友達なんて大学生だから、あたかもドイツ社会全体がそういう風に見えてしまうんですよね。
自分もそう感じたこともあります。なんせ自分の仲の良い友達は大学院に行くって言ってましたし。
まぁ、人によっては寮ではなくシェアハウスに住んでいるため、いろんな職種の人がいるため気づけるパターンもあると思いますが。
実際には、職業訓練校に行って技術を磨く人、はたまたそれ以上に極めてマイスターになる人など様々な人がドイツにいることを忘れてはいけません。
もしくは職種訓練校も行けていないから、限られた職種で働く人だっています。
そう、留学で価値観は変わっても、それは留学生として変えることが出来る価値観なだけかもしれません。
私たちはバイアスの上で生きている
ここでは㋐の回答の偏りの原因のことを指します。
例えば猫カフェにいる人に犬と猫どっちが好きですか?ってい聞いたらほぼ全員が猫って答えるわけ決まっているじゃないですか、猫嫌いなのに猫カフェ来る人いるかもしれませんが...…
ちなみに猫派は4割程度、犬派は5割ほどらしいです。
蛇足しましたが、この様に自分の選択や挑戦は常にバイアスの上に成り立っていることを忘れてはいけません。
途中、旅行者と現地に住む人の違いとかについて少し触れましたが、自分の立場によって価値観の変わり方は違います。
・旅行として来ている
・現地に駐在をしている
・現地の企業で働いている
・留学生として現地で過ごしている
これら全部、価値観の変わり方は偏りがあります。当たり前です。
留学しているだけでは本当のドイツは見れないのか?
安心してください、本当のドイツなんてドイツ人でも知りません。実はすごい意地悪な言い方なんです。
ドイツ人だってバイアスの上に生きているわけですしw
もちろん留学生故に偏ってしまう価値観はあると思います。
例えば実際に仕事をしてみないと見えないこともありますし、留学先としてよく挙がる街は外国人慣れしているので差別が少ないなどの環境的要因で変わることも考えられます。
さて、ここで最初に私が過去の自分に何か言えるなら、何を言いたいかというのを読み返しましょう。
様々な解釈が出来ると思いますが、
結局、結論は急いで出さないで良いんですよ。
留学の時に感じた価値観を物差しに物事を考えても良いんです。
ただ、それを絶対的な結論(答え)として扱わないようにしようって話です。
実は自分が知らないだけで、実はいくつかの判断材料が足りていないかもしれませんし、はたまた要らない判断材料を採用してしまっているかもしれませんし🍣
まとめ
この記事で言いたかったこと、それは
価値観なんてどうせ結果的に変わるもんだから、それを目的としないでもっと別の目的をたててほしい
ということです。
別に留学先に自転車を持って行っても良いですし、現地のサッカークラブに所属してプレーするとかなんでも良いんです。
自分のやりたいこと、成し遂げたいことを達成するための手段として留学があるだけです。
それは価値観を変えるんじゃなくて、自分のポテンシャルや可能性を引き延ばすために使うためだと。
おそらくこの記事を見ている中には留学やワーホリとかを考えている方もいるかもしれません。勿論この記事を、自分の価値観と合わないから蹴っていただいても大丈夫です。
ただ、留学で何かが変わるのは自分からアクションしないと何も変わりません、これは事実だと思っています。
見るだけではなく、様々な人と意見交換し、自分と違う観点を認め、自分の考えと比較して、結論へと導く。
この繰り返しで、いかに自分の意見がちっぽけに感じるときも、相手側の意見がおかしいことに気づくことがあると思います。
段々と三十路に近づく私ですが、いまだに何が正解なのかはわかりませんw
もしかしたら正解なんてないかもしれませんしね。
さて、これ以上は長くなるのでここらで終わりにしたいと思います。
では、また。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?