瞬足の罠
世にその名を轟かせた「瞬足」…巷では「速く走れる」とかで大人気な時代がありましたが、何を思って早く走れるって言ってるのか私にはまったく分かりませんでした。
…誰か納得のいく説明して~…
足や靴のお話をすると、「瞬足っていいんですか?」 っていう質問をよく受けました。
メーカーによれば当時「左回りのコーナーリングで威力を発揮する左右非対称なソール(靴底)デザインで好評の“瞬足”モデル」…って書いてありますが…左右非対称…ってことは…
まっすぐ走るとダメ…?
右回りはもっとダメ…?
…ってことですよね?
左右非対称なソール(靴底)だったら、まっすぐ歩いたり、右向きに歩くのには適さない…ということになりますが…( ̄▽ ̄)
また、モデルによっては「左右非対称ミッドソールによりコーナーリング時の安定性がよりアップ」(上図)ってなっており、初期のモデルほど顕著な作りになっていましたが、これって踵の支えを左右非対称にするってことですよね?…ということは、左に倒れるのは支えてくれるけど、右に倒れるのは支えが弱い…ということです!
例えば扁平足の子が履いたら、右足はいいけど左足の変形は支えが弱い!
サッカーや野球などフィールド競技や不規則な動きをす「遊び」の動きでは左右対称に支えるべきではないでしょうか?
つまりこの靴、正確に表現すれば、「ひたすら左に回って走るにはいい靴だけど、直線や右回りには使ってはいけない」ということになります!
瞬足は、トラックを左回りに走る直前に履き、トラックを走った後は、すみやかに左右対称ソール(靴底)の靴に履き替えないといけません!
当然直線で走る場合や、野球やサッカーなどフィールドを不規則に走るような場合には適さないですし、普通に歩く場合もソール(靴底)が左右非対称であるために、正常な歩行軌跡を阻害する・姿勢などに悪影響を及ぼす可能性もあるわけです!
何故か皆「早く走れる」だけに目が行き、「左右非対称ソール」の落とし穴に気がつかない…(-_-メ)
有名メーカーが作っているから大丈夫!…とか擁護するご意見もありますが、論より証拠!…実例もしっかりと…( ̄▽ ̄)
その前に「すぐ足が大きくなるから!」っていう理由で大きめの靴を買っている方が多いのも問題!
大きすぎる靴履いて早く走れるわけがありません!
「よくつまづいて転ぶんです」っていう保護者のご意見をよく伺いますが、その多くは「靴が大きすぎる(小さい場合もあります)・靴をきちんと履いていない」というのが原因となっています。
というわけで、「正しいサイズの靴」を「正しく履く」だけで早く走れるようになるんですよね~!
こういう特殊な機能を搭載した靴を「特定機能靴」といいます。ほとんどの特定機能靴は特定の環境でのみ使用することを想定しており、通常使用ではトラブルを招く場合があり不向きです。
典型的なところでは、サッカーで使うスパイクシューズ…これも特定機能靴です。サッカーするときにだけ履いて、サッカー終わったら脱いで普通の靴に履き替えますよね!?
特定機能靴は、その目的の時にだけ使用し、それ以外の時には使うべきではありません。
靴は正しく使いましょう!
次回はこの瞬足について、少し深く掘り下げてみます!(リンク先参照)
※ぶろちーた2009/10/31記事を改編