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どんなに悩んでも人生の選択を他人に委ねてはいけない
44歳の主婦。臨床心理を勉強中です。
講座6回目の今日は、青年期(11歳~18歳)について。
講座の前半は講義形式で、後半はグループワークが中心でした。
学習した内容は、以下のとおり。
エリクソンの発達課題
アメリカの発達心理学者であるエリクソン(Erik Homburger Erikson, 1902年-1994年)は、アイデンティティ(=自我同一性)の概念や心理社会的発達理論を提唱した精神分析家の一人です。
青年期(ティーネージャー)は、私は誰で、何が好きで、何がしたいのか、どう生きていくのか?といった課題に最初に直面する時期でもあります。過去の経験をもとに、未来を見据えて発達する段階と言えるでしょう。
エリクソンは、アイデンティティ(自我同一性)を、下記の4つのステイタスで区分けしています。
アイデンティティ危機(identity crisis)
早期達成完了(Foreclosure)
アイデンティティ拡散(Identity diffusion)
モラトリアム(Moratorium)
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
アイデンティティ達成(Identity Achievement)
何ごとも自分の意思で選択し、危機を経験している状態。課題に対して積極的に関与する姿勢を持ち柔軟に対処しているのが特徴です。
他のステータスに比べて自己評価は高く、親密な人間関係の形成が可能ですが、青年期にこの状態(アイディンティティ達成)になることは珍しいことかもしれません。
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早期達成完了(Foreclosure)
危機を経験していないにも関わらず、積極的に課題に関与をした結果、一見するとアイデンティティが確立されたような状態を指します。
重要な選択を熟慮せずに「親が勧めたから」「簡単そうだから」という理由で進んでしまった人に多い傾向。両親とは密着した関係にあり、職業の選択にも親が積極的に関与しているのが特徴。
一見アイデンティティが達成されたように見えますが、心理的な苦悩や危機をあまり経験していないため、実は見せかけの達成と言えるでしょう。
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アイデンティティ拡散(Identity diffusion)
自分自身について真剣に悩んだ事がないため、自分が良く分からない状態。あらゆる事に積極的に関与する事から逃げ、無関心の状態を維持することで、あらゆる可能性を持っておこうとするタイプも含みます。
自分がどういう人間であるかという自己意識が定まってないため、職業や進路の選択ができません。
思春期を過ぎても危機も関与もない状態が続くと、人生の目的や方向性を見失い、現実的な社会環境にうまく適応できなくなり、仕事・学問などへの興味や意欲も低下。周囲の人々とのつながりも希薄になりがちです。
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モラトリアム(Moratorium)
モラトリアムを日本語訳すると「一時停止」「支払い猶予」です。心理学では、大人としての社会的責任を猶予する期間を指します。
大人なるために必要な自分の適性や価値観を探求し、危機を経験しつつあります。
自己定義を得るためにさまざまな分野に関心を持ち、バイトを始めるなど積極的に関与しようと試みますが、結局のところ焦点が定まらずに悩み続けている状態です。
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フロイトの性器期(概ね11歳~)
この時期は第二次成長期とも呼ばれ、潜伏期の相対的な安定が脅かされる時期でもあります。
この時期の特徴としては、
自分の関心事が、両親や教師から異性へと切り替わり、最終的には異性を一人の人間として愛すようになります。
相互に責任を持った交際が可能になることから、次の世代を育てる準備が整う時期でもあります。
親・家族への依存
↓
親・家族・学校・社会への矛盾や反発
↓
自立を模索
といったステップの時期です。
まとめと振り返り
アイデンティティ(自己同一性)のステータスは、青年期だけの問題ではなく、中年期や老年期において何度も繰り返して再構築されるそうです。
勉強、部活、恋愛、友達、遊びが中心だった思春期から、就職、転職、結婚、出産・育児、介護などへ移り変わる人生のライフステージ。その節々に立ちはだかる課題をどう乗り越えていくかが重要です。
結果が思うようにならなくてもやれるだけのことはやった!と胸を張って言うことができれば、(長所と短所も含めて)自分は価値のある人間だという自尊感情が湧いてくると私は考えます。
だから、どんなに悩んでも人生の選択肢を他人に委ねず、自分でしっかり悩み抜くことが大事なのでしょう。自分への納得感が重要だと肝に銘じておきます。
さて、今回の授業で「自我同一性測定テスト」を実施しました。
その結果、私は「積極的モラトリアムと同一性拡散との中間」でした。
良い悪いという判断はナンセンスということだったので結果はあまり気にしていませんが、それにしても私の人生、モラトリアム期は続くよどこまでも…汗。
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