いつも満たしてくれる母親が良い親ではない!
今秋から勉強し始めた臨床心理学の基礎講座。
学習の学びや気付きを記録するためにnoteを活用しています。
3日目は、以下の内容でお送りします。
心の発達と課題
まず、用語の意味を確認しておきましょう。
発達とは、受精から死に至るまでの人の心身の量的・質的変化や変容のことです。発達は成長と同義語で使われ、発達のプロセスを考える上では、進化という概念を当てはめる事もできます。
ちなみに、進化についてGoogleに質問してみると、以下のように返ってきました。
このように、人が発達していくということは、環境や状況によりよく適応していく術を身に付けていくという側面があります。
発達課題とは
人間が健全で幸福な発達を遂げるために、各発達段階で達成しておかなければならない精神的発達の課題です。次なる発達にスムーズに移行するために習得しておくべき課題をいいます。
エリクソンの生涯発達理論とフロイトの発達理論(乳幼児期0才~1才)
私が受講している講座では、エリクソン、フロイトの理論を中心に学習しています。
人が人を信頼することとは
人は成長過程で経験した欲求や価値観を中心として、感覚的に信頼の条件を持っています。とりわけ、乳幼児期の親子関係が基本となり形成されます。
例:赤ちゃんはお母さんに抱っこされると喜ぶ
(理屈ではなく感覚的に喜ぶのである)
「基本的信頼」対「不信」
人の心の発達において重要なのは、基本的信頼と不信の両方を繰り返すこと。
例えば、赤ちゃんを取り巻く世界(環境)は、養育者(一般的に母親や家族)に委ねられており「オムツを換えて」「おっぱい(ミルク)がほしい」「体調不良」などのあらゆる欲求を泣き声で表し、その欲求が満たされることで信頼感の基礎が形成されます。一方、欲求が満たされないと感覚的に不安・不信感が蓄積されていきます。
識別の形成
赤ちゃんの成長に従って、大人たちは周辺に置くものにも配慮・注意(例えば、ハサミやナイフ、乾電池、ボタンなど、赤ちゃんが触ったり舐めたりしないように)が必要です。
さらに子どもが成長する過程で、「危ないもの」「危なくないもの」などの認識能力を育てています。
人見知りも識別形成の一つの表れです。人見知りが始まると、お母さんやお父さん以外の人に抱っこされたり話しかけられたりした時に泣いてしまうのが特徴です。
ボウルヴィの愛着の形成によると、赤ちゃんの人見知りは生後4ヶ月~6ヶ月から満2~3歳頃まで続き、心の形成において必要なプロセスだとされています。
フロイトの口唇愛期
生後間もない赤ちゃんは反射的におっぱいを吸ったり、手でギュっと物を掴んだりできます。体の中では、唇や口の中の粘膜が発達していると考えられており飢えを満たすだけではなく、味覚・嗅覚・感覚を楽しみます。そして、それらに満足(安心)すると、眠くなるという体験をします。
お腹が空く⇒おっぱい(ミルク)をもらう、という行為が繰り返されることで母親(養育者)に対し基本的な信頼感を獲得していきます。
しかしながら、時として赤ちゃんのすべての欲求を満たしてあげられないことも…。そんなとき、赤ちゃんはおっぱいを吸う代わりに指しゃぶりをしたりタオルを咥えるなどして代理の手段を使います。
ここでのポイントは、欲求が満たされる・満たされないことを知ることは、自分と「他者」の存在を知ることにつながるということ。
赤ちゃんにとって最初の他者=お母さんや家族(養育者)
母親を求める気持ちが芽生え、それが「対象愛」の基礎となります。
※この時期に問題が生じると、その人の精神的な発達に大きな影響を及ぼすと考えられています。
乳幼児期に口唇愛着への心残り(安心感・満足感の不足)があると、大人になって相手に合わせすぎて自分を犠牲にし過ぎる傾向もあるとか。
さらに、この時期の心理的特徴が大人になっても色濃く残っている場合、
甘えたい気持ちが強い
他者に依存的
我慢が苦手
欲求がましい
などの性格的傾向が大人になっても見られるようです。
ふりかえり
今日の講座で学んだことは、「楽」や「快」ばかりでは人の心は成長しないということ。不快な出来事を経験するから「快」のありがたさが分かるということ。
人と人との信頼関係は乳幼児期の親子関係が基本となるが、いつも子どもの欲求を満たし続けられる母親が完璧で良い親とは言えない。なぜなら、大人が子どもにモノやサービスを与え続けると、子どもの意欲は低下するからだ。そのうち、大人が与えるモノやサービスの「質」が低下すると、子どもは大人(周り)に対して文句を言うようになる。過去に知人の親子をみてきてそう感じる。
そして、そんな子どもが大人になったら、「うまくいかないのは社会のせいだ~!」とか言って、好ましくない状態に直面したことを(自分のことは棚に上げて)他人や環境のせいにするのかな?
そんな由々しき事態は避けたいところなので、人生には「快」も「不快」も両方必要なエッセンスなのだと肝に銘じ、子どもの欲求は満たしつつも与えすぎない子育てを愉しもうと思う。
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