連載「record album」④
この貴重な自由な期間の夜の海でたったの一度だけだけれど人と会うことがあった。その他の日はもしかしたら誰かに見つかって怒られたりするんじゃないかなんてひやひやしていたのだけれど結局誰にも怒られることもなく夜の波の音と自分の今と世界の未来をぼんやりと考える時間になった。
その日は海に入る事もなくただ砂浜に座ってぼんやりと夜光虫を見たり対岸の微かな空の明るさを見たり星を見上げたりして、いつものように自分がまだ何もわかっていないことに愕然としながら、なんだか鼻歌かなんかを歌って