「DEAD OR ALIVE デッド オア アライブ 犯罪者 」【映画は観たけれど】
私が想像する新宿・歌舞伎町は、三池監督の手によって作られていた。いまだにオープニングのBGMを聞けば、アドレナリンがMAX になるようだし、ワンシーン、ワンシーンごとに愛あるツッコミがいれられる自信がある。
中学校に入る前から私は哀川翔の大ファンだった。(今も!)令和の世に劇場でも、配信でも気軽に「バイオレンス」に触れて、平成前期に漂うたまらない空気にさらされてる。
オープニングにカウントダウンする竹内力&哀川翔、‥‥格好よくてため息が出る。
以前、新文芸で開催された三池崇オールナイトをみて、第1部の竹内サイドの生まれに落ちた暗い影を理解することができた。アメリカに犯罪で稼いだ金で弟を留学させて、って、リアリティがどこまであるんだか分からないけど、暴力でしか抵抗できない人々の悲しさ、連帯することのはかなさも描き出す。湿地のシーン、当時はなんのことやらって思っていたけど、今見るとこれが穏やかなひと時だったと分かる。ラストの腕がとれるときの、血の飛び散り方は、いいな、と今でも思う。そしてクレイジーな役柄を演じた石橋蓮司さんをこの時から”そういうやばい人”だと思えていて、いまだ好々爺な役柄を見ても、またまた~、とまともな一面をみることができない。
ゆって、性癖を狂わされたといっても過言ではないのかもしれない。第2部での金髪姿の翔さんもよい。今ではそうでもないのだけど、当時のオタクのすべてを詰め込んだような世界観設定。胸がきゅうと掴まれてしまう。逆によく耐えてた?と思うほど、殺し屋で爆走する翔さん、力さんとのコンビで黒い羽根&白い羽根が生える現象。第3部は2002年と記憶にも新しい『ゼブラーマン』(2004)の直前公開されている。香港撮影。アクションも満載。海外キャストも多い。豪華だよね。そしてエンタメにふれきった先。
つねに表現として新しいものを追求する姿勢には感服する。
観た日:2021年4月
2021年5月に発行したフリーペーパー『映画は観たけれど』に掲載した原稿です。一部加筆修正を加えています。
予告編&詳細
このオープニング、よい!
羽根が生えます!
香港アクション!
『DEAD OR ALIVE 犯罪者』
監督 三池崇史
脚本 龍一朗
製作 黒澤満 土川勉
出演者 哀川翔 竹内力
おまけ
(▼)フリーペーパーはこちら
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