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小野寺ひかりの短編小説

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オリジナルで書いた短編小説をまとめています。
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#短編小説

8月6日のこと【アメノ支店長営業日誌】

8月6日天候:晴天 来客:ウォンバッド殿 売上:リンゴと木の実 嵐が嘘のように過ぎ去った快…

【掌編】小野寺ひかり『桃と花火』

セミの声がつんざく。くさのにおいが濃ゆい、夏の夜のこと。 あにの右手では、ゆらゆらと小さ…

【小説】小野寺ひかり『白い花と雨のこと』

 2人で借りたアパートには庭が付いていて、それが決め手になった。花でも育てよう、部屋の中…

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【掌編】小野寺ひかり「離婚記念日」

今月で2nd Anniversaryを迎えた文芸誌「Sugomori」。6月の特集として掌編小説をお届けします。…

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短編小説について

オリジナルの短編小説&掌編を書いています。 noteで掲載したものはマガジンにまとめています…

【全文無料】掌編小説『はやる』小野寺ひかり

今月で1st Anniversaryを迎えた文芸誌「Sugomori」。6月の特集として、季節の掌編小説をお届け…

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短編小説『坂道の途中で』小野寺ひかり

『坂道の途中で』 夕暮れの坂道をゆっくりと登っていく。伸びた影は今にもどこかへ飛んで行ってしまいそうだ。隣で共に歩く母の存在。それだけが実態である私へ確かなる重さとなって、間違いなく、そこにいなければならないことを理解する。 大勢の家族連れとすれ違う。七五三、と書かれた看板に妙な納得をしてしまった。遠い昔、自分にもそんな日があったように思い越す。 晴れ着身を包んだ少女は、黄色い落ち葉を拾い、また家族のもとに駆け戻っていく。少女に視線を注ぐのは、見知らぬ家族たち。おそらく父

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【全文無料】小説「冬の夜とワイン」小野寺ひかり

 山内聡士にとって、初めて飲んだワインはトラウマでもある。ヨーロッパ旅行で訪れたときの本…

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