第十話: ラオスで車を買う時は新車じゃなきゃ駄目 後編
前編で書きましたが、
『Wikipediaやインターネットで調べる限り、この年代のプラドに
左ハンドル仕様は販売されていない。
さらに
前期型プラドは全て、オートマである。』
と、書いているんですがこの車は左ハンドルでマニュアルな訳です。
しかも、所々に日本語のサービスガイドだと思われるシールが見受けられる。
つまり、日本から輸入してきている訳です。
なので左ハンドルなのに、ウインカーが右側。
(よくよく調べてみたら、ウインカーが右に付いてるのは基本的に日本車だけらしいですね。)
不思議に思って調べてみたらそこかしこに見える魔改造の跡・・・
ラオスの道路はフランス統治下の影響からか、右側通行(その証拠として、ベトナムも右側通行。しかしタイに行くと左側通行で車両も右ハンドルになる)なので、ラオスの交通法では左ハンドルの車しか走行を認められていないらしい。最近では日本から輸入して右ハンドルのまま走ってる車とか、それこそタイから入ってきた車は右ハンドルなので、そのまま運転していますが。
なので、このプラドもその法律に則って左ハンドルになってる。シフトレバーも右用にデザインされているシャフトが根元で切断されて、左用に直してから溶接してあったり。
そう、なのでシフトもなんか途中で引っかかる。まぁ、旧車乗ってるんだからこの位はしょうがないのかなぁと、最初は思ってましたが、そもそもに問題があるんだから、引っかかるのは当たり前だよなぁと。
さらにこの車のミッション、マニュアルに変わっているのですが、これも後ほどミッションの調子悪くて交換・・・となった時に判明したのですが、日産ローレルのマニュアルミッションがコンバートされていました。
そりゃあギア比とかおかしいよね。
更に燃費が悪いからなのか、
ターボチャージャーが取り払われていました。
なので、どんだけ頑張ってアクセルをベタ踏みしても最大で時速110キロまでしか出ませんでした。
そもそも、ラオスのパクセーでは、タイ国境に向かう道が唯一の平坦で道幅が広い道路なので、そこでしか踏めない。
だからまぁ、スピードが出ないのはある意味それで事足りるって事なのかもしれませんが・・・
そんな78プラドなのですが、これがまぁ・・・よく原因不明で止まる。
何処かから異音がするなんてのは日常茶飯事だし、ボンネットから白煙が上がることもあれば、挙げ句の果てにはプロペラシャフトが外れて落ちてた事もありました。
その都度入院と言うことになるのですが、入院してもラオスの、パクセーの、トヨタ自動車のディーラーですら治らない。パーツの手配で最低でも2週間、ひどい時は1ヶ月位待たされた事も。
そうやってもう大丈夫だからと戻ってきたランクルは、2週間も乗るとまた壊れる。
そしてまた1か月入院。
プライベートで、セカンドカーとして楽しむならば良いかもしれませんが、社用車でコレは流石に酷すぎるだろうと。
日本は旧車ブームなんて言われてますけども、それはその旧車をちゃんと弄れるメカニックが居るからこそ成立しているだけで、何となくこの辺から異音するからコレなんじゃね?って感覚で修理している車とはメンテのレベルが違うと。
そんな中、この車を選んだ社長は、
社長: いやいや、そんなに壊れるはず無いんだけどなぁ〜まぁ、直しておいて
そりゃそうだろうね、現地で働いている日本人はアタシ1人だしそんなに影響出ている訳じゃ無いと思っていることと、当の社長は旧車好きだから手放したく無いと言うのが社長の見解何だろうな。
・・・でも流石に1年後には
私: 頼むから新車買ってください、今のままじゃ仕事で使う事も危険だし、でも小さくても新しい車にしてくれ。
そんな訳で私ではなく、従業員が運転している時にシャフトが壊れて橋の上で立ち往生した事をキッカケにやっと新車を買うことを許されたのが2021年。
その車に変えてからは、エンジンや電気系統のトラブルも無くなったし、かなり快適に運転出来たなぁと今更ながらに思います。新しい車が来る話はまた次の機会にお話しするとして。
個人的には古い形のクルマは好きだし、乗り続けても良いとは思ってましたが、修理がマトモに出来ない国でこんな車に乗ってたらあとどれだけ修理代がかかるものやら。実際に購入した金額の半分以上は修理代で飛んでいったクルマを社用車で扱って良いのか?と。
そんな訳で、今後もし(!?)貴方がラオスに飛ばされてしまったら、先ずは新車買う事を条件に入れておいた方が良いです、マジで。それも海外メーカーじゃなくて、ここは日本のメーカーの車両を買った方が、トータルで安いです。
最後の写真は、中古車選びをしている時にお店の奥にひっそりと佇んでいた、いすゞのバレット?
そんな訳で、本日はこの辺で。
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