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循環する自然にはムダが無い


先日、会社の研修で農業体験に行ってきました。
以前こちらの記事で紹介した自社農場のオアシスファームです。

研修は二度目、約2年ぶりです。


農場に向かう前に、お店から出た生ごみが入ったコンテナを軽トラに載せます。
それと一緒に、取引先で出た消費期限切れの商品も、一緒に載せます。


両方とも、農場でニワトリや牛のエサになったり、堆肥になります。


しかし、フードロスの多さには驚きました。
消費期限切れの商品って、こんなに出てくるんだ。ってくらい多く、それがたったの2社から出ているだけです。
この日あるだけの消費期限切れの商品だけで60キロくらいはあったのかな。そのうちの1/3を軽トラに載せました。


農林水産省調べだと、一年で612万トン、東京ドーム約5杯分ものフードロスがあるそうです。

農林水産省aff20年10月号より

農場に着くと、ニワトリ達がお出迎えしてくれます。

約2年前よりも、はるかに数が増えてます。
僕はニワトリは平気だけど、数の多さで圧倒されないかなと思いましたが、大丈夫でした。
だんだんと可愛らしくみえてきます。

その後卵を収穫して、果樹園をまわります。


果樹園ではレモン、梅、いちじく、栗、柿などが栽培されています。


いちじくは実が付いたまま、カチカチに乾燥していました。
しかし確実に、春待つ息吹が空に向かって伸びていこうとしています。


こちらは若鶏だけが集められた鶏舎。

このハウスのすぐ隣でも果樹が栽培されています。若鶏たちは自由にハウスを出入りできて、果樹についた虫を食べてくれます。
社長は鶏舎と果樹のセットをパッケージにして他社に勧めたいとおっしゃっていました。


その後、短角牛の放牧場を見にいきました。


放牧場には小屋はなく、完全に放し飼いされています。境界には電気柵が張られていて、牛の脱走と外部からの侵入防止を兼ねています。

牛たちは北海道から豊橋市へと連れてこられて、主に草を食べています。
ストレスフリーなのか、草のおかげなのか、動物園で嗅ぐような特有の嫌な臭いがほとんどしませんでした。

僕のイス軸法®︎インストラクターの特技として、人の身体に触れただけで中心軸の有無が分かります。
試しに牛たちの中心軸を探ってみたところ、有無の概念そのものがありませんでした。
個体としてのかたまりが、ただそこに存在している。そんな感じです。
その後の牛たちが、『何か探ってる?』って感じで反応しました。
いや、バレちゃったかな。


その後は笹林を伐採し、それを農機具で裁断しました。
その裁断されたものも堆肥になります。

こうして農場を回っていると、循環型の農業にはムダが無いというのが分かってきます。


人間がゴミにしたものは家畜のエサや堆肥になり、ニワトリは卵を産み、ゴミから生まれた虫もニワトリのエサとなり、堆肥は農作物に使われて、新たな作物を作ります。


人間はそれを食べ物という循環と、お金という循環に変えます。
食べ物の残滓は再び家畜の餌になったり、堆肥になります。


オアシスファームの取り組みはとても素晴らしく思います。なお、この2年の間に東京ドームおよそ二個分の耕作放棄地を借りたり買ったりしたそうです。
農家は高齢化が進み、耕作放棄地が増えている地域でしたので、社長の取り組みはとても歓迎されています。


オアシスファームではこの循環がありますが、ここから一歩離れてみるとフードロスはただのゴミとして処分されていることでしょう。また耕作放棄地も農業をする人が現れなければムダになります。
フードロスや耕作放棄地だけではなく、自然の循環も途切れてしまうわけですから、ムダとしか言いようがありません。


経済を回すためにはある程度製造しないといけないのも、予測が難しいのも分かります。
しかし、フードロスで処分する費用も商品に反映させていると思いますので、今のように物価が高騰してくると、オアシスファームの取り組みのようにお金だけではない循環も考えていかなければいけないと思います。


世の中の自然なものは、常に循環しています。


この循環をいかにさせていくか、オアシスファームのように人間も自然の一部として循環の輪に入るといいな。
そう思いながら、家路につきました。

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