成功者を分析して明らかになった『才能よりも重要な力』
はじめに
最近、「自分には才能がないんだ。」なんて言う子どもの呟きを耳にすることがあります。教育者として聞き逃せない言葉ですね。しかし、「努力をすればなんとかなる!」と精神論を唱えても、なかなか子どもは耳を傾けてくれません。ここでは、そんな子どもを勇気づける才能よりも重要な力『グリット力』について紹介していきたいと思います。
成績優秀者に共通する“ある特徴”
グリット力という言葉を提唱したペンシルヴェニア大学のアンジェラ・リー・ダックワース教授は、もともと中学校の教諭でした。学校の教諭時代に、ある重要なことに気づきました。それは、成績優秀な学生の特徴は頭の良さや、生活環境ではないということです。そして、大学に戻って研究を続けた結果、成績が優秀な学生の共通した特徴は、「情熱」と「粘り強さ」、すなわち「グリット力(やり抜く力)」であることが明らかになったんです。まさに、努力が才能を上回ることが証明された瞬間です。そしてその後の研究から、グリット力は成績だけでなく、あらゆる物事を達成する上で非常に重要であることが明らかになりました。では、このグリット力はどのように高めることができるのでしょう。
グリット力を高めるために
子どものグリット力を高めるために様々研究が行われてきました。しかし、残念ながら確固たる研究結果は出ていません。しかし、その中でも最も良いと言われている方法があります。それはなんと、前回紹介した「成長マインドセット」を持つことです。「成長マインドセット」とは、スタンフォード大学のキャロル・ドウェックが見出したもので、「人間の能力や結果というのはこれからの環境や努力しだいで変わる」という考え方です。つまり、自分の能力は努力次第で高めることができると信じることが大切だというのです。これが、精神論でもなんでもなくて、膨大なデータ分析によって科学的に明らかにされたものだから面白いですよね。まずは、思考を変えること。自分の成長を信じることから始まるんですね。
内容はここまでです。今回は大人もやる気になるような素敵な研究結果でしたね。私たちにできることは子どもの成長を信じ抜くことかもしれません。子どもの成長を信じ、子どものグリット力を高めていきたいですね。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。また来週も子どもたちと最高の学校生活を送ることができるように頑張ります!
参考文献
「GRITやり抜く力」アンジェラ・ダックワース著、2016