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オンライン英語塾を運営するにあたり取り組んだこと・心がけていること



塾設立のきっかけ・背景

私が塾を開いたきっかけは、アメリカの大学で学んだ社会学の授業でした。

私の専攻は社会学でしたが、所得格差や人種間の格差、性別間の格差など、世界中に存在する”差”について学びました。

その中で”教育格差”について学んだ際、先進大国であるアメリカでさえ子供たちが均等に教育機会を与えられていないという実情を知り、衝撃を受けました。

当時の私の頭の中は「日本でさえ義務教育の制度が整っているんだから、世界のトップを走るアメリカの教育は高等教育など含め当然完備されているのだろう。」と思っていたからです。

自分の思い込みが現実からかけ離れていることを理解し、「もしかしたら日本でも質の良い教育機会に恵まれていない子供がいるかもしれない。」と思い、2021年6月に日本に一時帰国した際に学習塾(個人事業)を設立しました。

塾の立ち上げにあたって

某塾で学んだこと


どれだけ熱意があってもノウハウがないと何もすることができないので、塾を立ち上げる前に指導方法や運営方法を学ぶ為に某大手塾で数か月アルバイトをしました。

某社は講師と生徒(中3)が1対1の個別指導の場合、授業1回90分、週1回で20000円/月という価格設定でしたが、大手塾の個別指導だとこの価格は一般的かと思いますが、私は「高すぎる」と感じました。

私が高すぎると感じた点は以下の通りです。

  • 月謝以外のコスト

  • 講師の質

  • 本質的な個別指導カリキュラム

以上3つについて、私が感じた点を紹介します。

月謝以外のコスト

20000円/月(週1)という月謝の他に、某塾では教材費や入塾金の支払いが必要でした。

例えば教材は入塾の際に購入する物に加えて、夏・冬期講習や受験対策などのオプションコースを選択するとオプションコース専用の教材も購入する必要がありました。

年間の教材費は20000円位でしたので、それだけで月謝+1666円/月ということになります。

しかし、私が驚いたのは”使わない教材も買わされる”ということです。

数学と英語の講習を選択しても、国数社理英の全てのテキストを購入させられるのです。一応、自宅で自習する用の教材としているらしいですが、実際に選択教科以外の追加テキストを活用して自習している子供は誰一人としていませんでした。

講師の質

様々な塾がありますが、某塾の講師は全員アルバイトでした。

正社員は教室に1〜2名常駐していましたが、基本的に社員は塾のマネジメントをする側で指導をすることはありません。(稀に講師の欠勤で補充が行えない場合に正社員の教室長が教鞭をとることもありますが)

アルバイト講師を採用する際は採用試験を受ける必要がありますが、よっぽど一般教養がない限りは落ちることはありません。

私が問題視したのは講師の質で、解答やカリキュラムがなければ指導することができないような人たちが沢山いるのです。

例えば、英語の授業で英検2級対策をしている講師が英検を受験したことがなかったりなど、「え、どうやって指導しているの?」とハテナマークが浮かんできてしまいました。

本質的な個別指導カリキュラム

個別指導とは言っても、某塾の本質は個別指導ではないような気がしていました。

実際に教えるのは個別に教えますが、あくまでもカリキュラムは全員共通なので、その子に合わせた勉強フローを整えることができていませんでした。

例えば英語が得意で定期テスト対策がバッチリだけど数学が苦手で勉強が足りていない子に対して、英語の授業だからといって英語を教えるのはナンセンスです。

このようなことは一例ではありますが、個別指導にも関わらず柔軟性に欠けているというのは、「本質的には個別指導ではないんじゃないか?」と感じました。

某塾で学んだ事を活かし設立へ向かう

某塾をアルバイト退社した後、上記3点を全て解決させ、且つ”安い・楽しい・結果が出る”を実現する塾を作る為の条件をリストアップしました。

条件リスト↓

  1. 月謝は10000円/月(週1)以下に抑える

  2. 誰でもアクセスできるプラットフォームにする

  3. 入塾金・教材費を無料にする

  4. 生徒が勉強を楽しいと思える塾を作る

  5. チーム育成に一番力を注ぐ

1.2.3.の解決

学習塾を運営する際に掛かるコストのトップツーは、人件費とテナント代です。

以下の画像は経済産業省が出している学習塾の年間営業費用のまとめですが、人件費とテナント代で70%以上を占めていることがわかります。


講師を採用する以上人件費は必ず発生してしまうので、私の塾では人件費以外のコストを最低限まで削ることにしました。

まずは授業形態をオンラインにすることでテナント代を0円にし、同時に”2.誰でもアクセスできるプラットフォームにする”という条件も突破しました。

また広告宣伝費も最低限に抑える為に、口コミとホームページのみで行うことにしました。(ホームページ運営費は年間13,000円程度)

そして何よりも力を注いだのが、教材の制作です。

約2年半かけてオリジナル教材を制作し、教材費の無償化を実現させました。

4. の解決


子供たちの多くは勉強を楽しいものと捉えていないので、勉強を楽しく教えることよりも、講師と良好な関係性を造ることがベストだと思います。

講師チームには授業前のIce Breakと授業中の積極的雑談を取り入れるようにお願いしています。

Ice Break(アイスブレイク)というのは私が大学在学中に初めて知ったことです。

直訳は”氷を壊す”という意味ですが、初対面の人と会う時などは関係が凍っているので、それを壊すために趣味や性格、最近ハマっていることなどを話す時間・機会のことを指します。

積極的雑談は、子供たちの集中力が途切れた時に行うようにしています。お菓子を食べてもいいし、ゲームのお話をしてもよく、講師と友達のような感覚を持って欲しいという狙いがあります。

私の体感だと、小学生の子供の集中力はマックス20分、中高生で40分です。
その間をうまく見計らい積極的雑談を取り入れることで、生徒と講師の良好な関係を醸成しています。

5.の解決


私は講師力が生徒の成長に直結すると考えています。

講師力というのは講師の頭の良さだけでなく、人間性や経験を指します。

どれだけ勉強ができても子供嫌いであったり、お金を稼ぐことだけが目的な人が教鞭をとると、時間が経過するにつれて授業・塾は壊滅すると思っているので、私は実力と人間性、経験を兼ね揃えている講師のみをチームに加えるように意識しています。

当塾は特に英語指導を強い武器としてい海外経験の有無や将来的に教育業に関わりたいか否かも重要視しています。

チームメンバーにはこの記事に書いていることを含め、私の教育に対する意識や熱量を共有しており、反対にメンバーの意見や教育に対する希望も共有してもらっています。

この共有をすることでチーム意識を結束することができ、塾全体で方向性をブラすことなく子供達の指導をすることができると考えています。

ONEの特徴と現状

オンライン英語塾ONEは2022年に法人化し、早くも1年が経過しました。
宣伝にお金を使っていない分、大手に比べると生徒数は少ないですが、全生徒が1歩ずつ確実にレベルアップしている実感があります。

私は塾の拡大より成長に重点を置いているので、生徒数に焦りや心配はしていません。

結果は必ずついてくるものだと信じているからです。

上記した通り、オンライン英語塾ONEでは生徒一人一人に合わせた柔軟な指導に取り組んでいます。

甲斐あってか生徒からは「楽しい」という声が多く、大多数の保護者様からも嬉しいお声を頂いています。

これからもオンライン英語塾ONEはチームメンバーが一丸となって生徒をバックアップしていき、子供たちの成長に伴走したいと思っています。

最後に

少し熱い文章になってしまいましたが、「この塾はこんな気持ちで運営しているんだな」と少しでも分かって頂けたら嬉しいです。

最後まで読んで頂きありがとうございました。


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