【弁当の日】04.日本初の試みと先生たちの苦労
この記事は、小学生が親の手伝いなしで弁当を作る「弁当の日」の素晴らしさを伝える記事です。
私が今回、この記事を書く目的はつぎのとおりです。
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◆教室では学べないことを学べる「弁当の日」の素晴らしさを知ってもらう
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1.前回までの振り返り
反対・批判の声もあったのに、大成功に終わった「弁当の日」。
しかし、そこには、当然教職員の方々の苦労や工夫がありました。
「弁当の日」の指導に直接かかわった教職員の文章を引用しながら、みなさんに偉業を知ってもらいます。
2.【家庭科担当】西浦みどり先生
まずは、6年生の家庭科の授業を担当していた西浦先生です。
西浦先生が困惑していることがよくわかります。
人間、ゴールがはっきりしていれば、頑張れると思います。
たとえば、
といった具合に。
「なんだかよくわからないゴール」のために、奔走するのは、相当苦しかったのではないでしょうか。
「学校独自の家庭科のカリキュラムを作成して」と、さらっと書いてありますが、カリキュラム※は簡単にできることではありません。
なぜなら、学校では「学ぶべきこと」が国によって決められているからです。
したがって、年間指導計画を作る際は、次のような方法をとるのが一般的です。
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◆前年度のものを使う(必要があれば、修正・変更を加える)
◆【教科書会社が示す例】を元にする
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つまり、「弁当の日があるから、調理実習をやりまくるぞー!」などということはできません。
また、家庭科で学習する内容には、調理に関すること以外のもの(衣服のこと、家族生活のことなど)もあります。
「衣服のことは、1年間で〇時間学習しなさいよ」といった細かい規定もあります。
つまり、独自の年間指導計画を作るのは、大変なのです。
しかし、西浦先生は、それをやってのけます。
さらにはお弁当作りがしやすくなる学習プリントを作ります。
以下は、その学習カードの説明です。
プリントを見ると、子どもたちが書きやすいように、書く項目や余白の大きさが工夫されていると感じます。
また、プリントの中央よりやや下に、先生のコメント(アドバイス)があります。
これを一人ひとりに書くのは、簡単なことではありません。
単純に時間だけ計算しても、
1時間15分かかります。
「本来は、やらなくてもいい”弁当の日”」に、そこまでの時間と情熱をかけた先生方を敬服してやみません。
3.【5年生の担任】平井君子先生
平井先生は、このとき5年生の担任として「弁当の日」に関わっていました。
自分自身も不安を抱えていた、平井先生。
しかし、それを保護者に見せず、子どものためを思って行動した姿には、ただ頭が下がるばかりです。
また、当日は、平井先生も自分で弁当を作り、持参しました。
率先垂範の精神です。これが、実にすばらしい。
私は、次のような持論を持っています。
口だけの人間の言うことを、私は聞きません。
みなさんも、「時間を守れ!」と言いながら自分は時間を守らない上司には、従いたくありませんよね?
だから、子どもたちに「弁当を自分で作ってきなさい」と言い、きちんと自分も弁当を作ってくるこちらの先生方が、すばらしいと思うのです。
小学5・6年生にもなれば、大人をよく見ていますからね。
口先だけの先生は、通じなくなってくる年ごろです。
4.【番外編】私の実践
私も自分の勤務校(中学校)で「弁当の日」を実践するときは作っていきました。
といっても、教師になったばかりで忙しく、大学時代からお世話になっていた「Cook Do」のチカラを大いに借りましたが・・・・・・
「弁当の日」は、いいですね。
弁当を食べる時間は、勉強が得意も苦手も、足が速いも遅いも関係ありませんから。
実際、普段は口数が少なくあまり前に出ない女子が鮮やかな弁当を作ってきて喝采を浴びていました。
また、普段は私が怒ってばかりいた男子が、
と、一つ分けてくれたことも忘れられません。
「弁当の日」に慣れてきたら、ホットプレートを持参し「ライブクッキングやでぇ」と言ってヤキソバを作ったこともありました。
などと、教卓を囲んでクラス中盛り上がりましたね。
あぁ、楽しかった。
5.まとめ
このように、先生方や栄養士の方の”知られざる苦労”に支えられ、「弁当の日」は成功したのです。
ただ、「弁当の日」の主眼は調理技術の向上ではありません。
家族の絆を深めることです。
なぜ、弁当を作ることで家族の絆が深まるのでしょうか?
次回はそれについて書きます。
ご期待ください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
引用した部分は、note上で読みやすくなるよう改行などを加えました。
また、太字にしたのも私です。
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