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故きを温ねて新しきを知る
67日目。
今日は”単位”のお話。
ちょっと前に書いた新米の記事が
楽しかったので、今日もお米関連で。
尺貫法とは
端的に言ってしまえば、
”昔は使っていたけど、今は使っていない単位”
ですかね。
日本では計量法に基づき、
数的単位としては”国際単位系(SI単位)”が
正式なものとして扱われております。
ただ昔からの慣習で”その方がわかりやすい”と
考えられる業界では今でも使われていますね。
お米やお酒の”○合”とか、業務用の”一斗缶”とか。
合・升・斗・石とは?
これらは尺貫法のうち”体積”を表す単位になります。
”一合”は約180mLです。
お米の場合は大体、
一合 ≒ 180mL ≒ 150g
という関係になります。
これらが大きくなるにつれて、
単位が変わっていきます。
・一升 = 十合(約1.8 L)
・一斗 = 十升(約18 L)
・一石 = 十斗(約180 L)
これを知っていると、
「お酒の一升瓶って、1.8Lくらいなんだ」
「一斗缶って、18Lくらいなんだ」
と日常のものが、また違った視点で
楽しむことができるようになります。
また日本史ものに触れた際に
ほぼ間違いなく登場する
”石高(こくだか)”についても、
もっと楽しめるようになります。
加賀百万石 が いかにスゴイことか
貨幣経済が主流になっていない
江戸時代ごろまでは、
物品のやり取りは物々交換が主流でした。
藩主の力は”石高”によって表現され、
”どれだけたくさんのコメを生産できるか”
がその藩の力を示す指標でした。
この背景からわかるように、
”石(こく)”という単位は、
”兵力を表す”単位でもあります。
”一石”は”一人の武士が1年間に食べるコメの量”と
考えられ、この石高が大きければ大きいほど、
”兵力がたくさん存在する”ことの
証左となっていました。
武士一人当たりの消費量を計算してみましょう。
∴一石 = 約180 L = 約150KG
お米は炊飯時に給水し、
重量として約2.5倍(白米ベース)になります。
つまり、一年間に食べる”ご飯の量”としては
こんな感じ。
∴約 150KG x 2.5 = 約 375 KG
ざっくり、”ご飯”として一日に1KG程度
食べる計算ですね。
お米の量に換算すると、400G(2.7合)くらいです。
江戸時代までは”一日二食”と言われているので、
”毎食 コメ一合分のご飯”を
食べていた計算になりますね。
当時としては結構なぜいたくですね!
上記から考えると、有名な”加賀 百万石”は
”武士を100万人雇えるくらいの生産力(=兵力)”
ということになります。
ちなみにコレは今でいうところの、
千葉市(98万人)くらいの規模です。
いかがでしたでしょうか?
昔の単位を掘り下げることで、
色々なものをこれまでと違った視点で
楽しめるようになると思います。
今後もお米関連を中心に話題を見つけては
記事を綴っていこうとおもいます!!
おにぎり紳士🍙