【SS】しゃべる画像 #毎週ショートショートnote
10/2-10/8 お題 しゃべる画像 410文字
祖父はメカとカラクリが大好きだった。そして、毎朝ひとつ教訓を手帳に書き、実践し続けこの世を去った。最後には、自分の自画像を自分自身で何回も何回も書き直し続けていたようだ。それも年代物に見えるようにセピア色にこだわって書き直していた。
祖父が生きていた時は、よく遊びに行って祖父が作ったカラクリを見せてもらって喜んでいた記憶がある。たとえば、見つめた時だけ進む針の時計や逆さまになって水面を進む船など、なんの役に立つのか分からない物ばかりなのだが子供の頃にはそれが楽しかった。
そんな祖父が最後に残したのは、壁面に大きく書かれた自画像とその壁にかけられている絵と連動する不思議な時計だった。時計の針が朝9時を指すと、描かれた自画像がしゃべりだすのだ。そう、祖父が毎日手帳に書いていた教訓を話し始めるのである。祖父が書き留めた教訓は18000以上、そう、この最後の作品は今後50年に渡って教訓を告げ続けるしゃべる画像だったのだ。
410文字
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