Mac標準のPagesを使った縦書きは要注意
これまでの電出版において、ペーパーバックに重きを置いていたため、kindle版の電子書籍のほうは内容が表示されることのみ確認してリリースし続けていた。
Macには、EPUB形式(Kindleに登録する際の最もポピュラーな電子書籍形式)で出力できる文書編集機能を持っているPagesというソフトがもれなくついている。
これを使えば、何も考えず執筆するだけで電子書籍を作ることができる。はずだった。(もちろん、できてはいるのだが)
先月気づいた不具合
・Pagesで縦書き出力した電子書籍がKindle for Macでは正しく表示されない
・同様にブラウザから「試し読み」するとOSに関係なく正しく表示されない
結果として、Amazonに不具合報告をして調査をしてもらっている最中だ(以下の記事参照)
しかし、いろいろとググりながら調べてみると、Pagesを使った縦書きには過去にも多くの不具合を出していたことがわかった。元々が横書きしかサポートしていなかったらしいが改善を経て縦書きもサポートするようになったらしいのだ。それ自体は素晴らしいことなのだが、どうやら、内部的には横書きでファイルは出来上がっているようなのだ。つまり、表示する際に縦表示になるような処理がコーディングされているのだと推測する。電子書籍自体は、表示されるようになっているので進化はしている。Mac標準のブックという電子書籍を見るアプリを使うと何も問題なく参照できるのだが、kindleアプリとの相性が悪いように感じる。現在、Amazon側が調査はしているのだが、いつまでも待っているわけにもいかない。利用者としてなんとか回避方法を見つけて対応したい。
そんな時、以下の電子書籍と出会った。やはり、Pagesを使ってEPUB形式のファイルを出力しても正しく表示されないケースが多いようだ。したがって、作成はPagesを利用するのだが、EPUB形式への変換は「でんでんコンバータ」というソフトを利用して作成する方法を勧めている。
でんでんコンバータも本格的に利用しようとすればいろいろと設定が必要になるようだが、今更ソフトの機能を深く学びたくはない。うまくすればAmazonで対応してくれるかもしれないから(ほんの少しの期待)
ということで、必要最低限の手間ででんでんコンバータを使ってEPUBに変換する方法を整理してみる。
Pagesで作成した小説を標準Text形式で書き出す
改ページする場所には、===を挿入する(前後に空白行も入れる)かファイルを分割する
タイトルを記述している部分や目次はコンバータで作成されるので削除する
Text Editorを使って見出し部分に記号を入れる (#で囲む)
でんでんコンバータのサイトを立ち上げる
タイトルと著者を入力し、変換対象Textファイルを全て選択する
ここで入力したタイトルと著者が扉ページに挿入されることになるページ送りで縦書きを選択する
扉ページ (実質のタイトルページ)のチェックをOnにする
扉ページは縦書きを選択していてもでも、横書きで処理される表紙ページをスキップするをOffにする
Offにしておかないと扉ページは作成されない変換する(EPUBに変換するとファイルは一つになる)
複数のTextファイルに分割されていても一つに統合されて処理される変換されたEPUBファイルをダウンロードして管理しやすい名前に変更
kindle previewerで確認してkindleへの登録を行う
ただし、上記の2、3、4に関してはPagesで作成する原稿の中で対応していれば不要である。Textにしてから対応するか最初から対応するかの違いだけである。
注意補足
Pageを使って見出しの制御していてもでんでんコンバータは理解できないので、テキストにした後編集するかPageで作成するときに記号#を入れておくかする必要がある。
見出しは、以下のように処理することで文字の大きさなど勝手に変えてくれる
レベル1の見出し #見出し文字 #
レベル2の見出し ##見出し文字##
同様に改ページもでんでんコンバータは理解できないので、記号として===を入れておく必要がある。その際は前後の行を空白で作成する必要もある。
Pagesで、つい利用してしまうのは、Shift+Enterによる改行だが、これはでんでんコンバータは理解してくれないので、Enterのみの改行を利用するように変えておかないとTextにしたあと、全て修正する必要がある。(これは面倒)
また、改行して一行の空白行にしたい時は、改行した後に一文字以上の全角の空白文字が必要となる。半角の空白や空白なしでは、空白行は生成されない。
詳細については、でんでんコンバータのサイトを参照されたい。
もっと細かく制御しようとすれば設定ファイルなどを作成する必要があるらしい。
「赤いワンピースの少女」をリリースしたばかりだったが、早速この手順で作成し直してkindleへ再登録中である。確認して問題がなければ、これ以外に以前リリースした3冊の電子書籍もあるので、順に修正しようと考えている。
ようやく、出口が見えてきた気がする。
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