【SS】サラダバス2 #毎週ショートショートnote
7/10-7/16 お題 サラダバス 410文字
とある王国の王様はとても綺麗好きな王様でした。自分の体はもとより、王様が手にするものは全て一度綺麗に洗わないと近づけることすら許さないような王様でした。そして年々その潔癖症はエスカレートし、口にするものをそれまで以上に綺麗に洗うことを義務付けたのです。
そのため、野菜を洗うためだけのお風呂を城門のそばに作らせ、収穫した野菜を一度お風呂に入れて綺麗に洗ってあげたあと料理に使うようになりました。しかも、シャンプーを使って丁寧に洗うようにと指示していました。
荷車で運ばれた野菜は表面がピカピカになるまでお風呂に入れられ、上機嫌で厨房に運ばれるのを待っていました。この国の野菜たちはお風呂が大好きになり、野菜専用のお風呂も大きくなっていきました。そのサイズは銭湯よりも大きくなり、野菜を優遇する国として有名になっていきました。
これまで担当していた野菜の担当者は仕入れた全ての野菜が茹で野菜になってしまったことを憂いていました。
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