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【SS】ふりかえるとよみがえる #毎週ショートショートnote
7/17-7/123 お題 ふりかえるとよみがえる 410文字
ある田舎の里に小さな池があった。男にとっては懐かしい思い出だった。目を閉じると子供の頃の記憶なのか幻想なのかわからない映像がよみがえる。幼い頃は水辺の生き物が好きで、よく池に遊びにいっていた。幼い時には不思議と水辺の生き物と話ができていたが、大人になるにつれ、その力は無くなっていった。
思い出すのは、小さな蛙二匹のことだった。一匹の蛙が池の中から問いかけた。
「おーい、子供。お前は人間が死んだらどうなるか知ってるか」
「死んだら天国に行くのさ。知ってるよそのくらい」
「チッチッチッ、違うな。黄泉の国っていうところに行くのさ」
その蛙は俺はなんでも知っているというフリをして得意げに話した。
その時、隣の池から違う蛙が顔を出して話し始めた。
「わたしは、黄泉の国に住んでいる蛙です。その蛙はなんでも知ったフリをするので気をつけて話をしなさい」
風蛙と黄泉蛙が住んでいる池での遠い遠い記憶を振り返って蘇ったシーンを男は噛み締めていた。
410文字
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