ハ音記号の読み替え
この調子でハ音記号も行けてしまう。
ハ音記号というのだから、もちろん音部記号なのだが、普通の人は一生見ずに終わることもある。一方で、ビオラやファゴットを演奏していると頻繁に見ることになる。私が初めて目にしたのは高校の吹奏楽部でファゴットのお友達の楽譜を見た時である。「なにこの記号?」とか言った覚えがある。
ハ音記号というくらいだからCの位置を示している。記号はCをひっくり返して上下につなげた格好をしている。手書きの時はKとか書かれてしまうかわいそうな奴である。
ふたつつながったCのつなぎ目がピアノの中央ハの音を示す。つまり、ハ音記号の真ん中の音=ト音記号で下にちょこんと飛び出したC=ヘ音記号で上にちょこんと飛び出したCである。
このように、ハ音記号はト音記号とヘ音記号のちょうど真ん中の音域になるのだが、ハ音記号は現在でも上下にずれることがある。
ハ音記号の高さはちょうど五線全体の高さと同じである。ビオラの場合は上下がぴったりおさまるように書かれるが、ファゴットの場合は1段上にずらして書かれる。
だから、調号がない場合は記号の位置をきちんと見てCの位置を確認する必要がある。そこに音符を書き、自分が読み替えたい音部記号のCの位置に点を打ち、その音部記号で点を読めばよい。
ビオラ型の場合、ト音記号で読みたければすぐ上を、ヘ音記号で読みたければすぐ下を読めばよい。ファゴット型の場合、ト音記号で読む場合はすぐ下を、ヘ音記号では点が離れてしまうので、ヘ長調だと思って読むことになる。
ファゴットの楽譜はヘ音記号とハ音記号が混ざっていることも多々ある。記号を変えても音符の位置が変わらなかったら意味がないから、離れてしまうのは当然なのだが、ファゴットの人は読んでるうちにきっと慣れるんだろうなぁ。偉いなぁ。
調号が付いている場合は他の音部記号と同じ扱いで普通に移動ド読みできる。臨時記号のルールも同じである。
これで調号15種類、音部記号3種類(譜表としては4種類)が全部階名唱で歌えることになる。初級編クリア、といったところか。お疲れ様でした。