ハ長調から線1本分離れた調

前回までで調号15種類のうち半分近くの7種類まで移動ドで読めたことになる。残りは8種類。

前回はCのすぐ上下(2度)が主音になる長調を読んだが、今回はさらにもうひとつ(3度)離れた調を階名で読めるようにする。そういう調はやはり調号で4種類、調としては8種類ある。高い方から

シャープ4個 ホ長調(E dur、嬰ハ短調・cis moll)
フラット3個 変ホ長調(Es dur、ハ短調・c moll)
シャープ3個 イ長調(A dur、嬰へ短調・fis moll)
フラット4個 変イ長調(As dur、ヘ短調・f moll)

である。

ここまでたどり着いた人はもう簡単である。調号を見てドの位置を決め、その位置に適当に音符を書き、Cの位置に点を打って、Cとドの位置関係を確認したら、同じ位置関係で全部の音符に点を打つ。あとはこの点を音符だと思って、調号を無視してハ長調で読めばよい。

臨時記号も前回解説したとおりである。

例えば、フラット4個の場合、H E A D の順でフラットが付いている。右から2番目はAだからAs durである。ここに適当にひとつ音符を書き、Cの位置に点を打つ。すると、点は音符の線1本分上になるはずである。

したがって、全ての音符の線1本分上に点を打つ。音符が線の上にあれば点も線の上、音符が線と線の間にあれば点も線と線の間である。あとはこの点を音符だと思って調号を無視してハ長調で読めばよい。

臨時記号は調号がフラットなので、フラットとダブルフラットは半音下げ、ナチュラルとシャープは半音上げである。実際には調号の付いているB Es As DesがRe So Do Faに対応しているため、シャープとダブルフラットはほとんど出てこないはずである。例の困ったちゃん和音をI#ではなくII♭で記譜するとHesesが出てくる。

ここまですんなりできた人は、そろそろ全部の音符に点を打つのが面倒になってくるだろう。そうなったらしめたもので、最初の4小節くらいに点を打てばあとはsimileとでも書いておけば解決である。

ただ、「練習番号Cから!」とか言われるとまごつくことがあるので、よく歌い始める場所には少し点を打っておくか、Do Re Miを少し書いておくといいだろう。

残りは4種類。実は調号1個の調がまだ出てきていない。これは私は「点打ち法」では読んでおらず、直接読んでいる。次回はそのあたりを読めるようにしよう。

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