ト音記号・ヘ音記号の読み替え(調号がある場合)

調号がある場合は、音部記号が違ってもやることは同じである。楽譜に書いてある調号(調号だけでいい、音部記号は無視していい)からドの位置が分かったら、そこに適当に音符を書いて、自分が読みたい音部記号のCの位置に点を打つ。

音符と点が点打ち法で読める距離にあるなら、そのまま音部記号・調号を取っ払って、打った点を自分の読みたい音部記号で読めばよい

点打ち法で読めない距離になった場合、ヘ長調・ト長調系の位置に点があるはずなので、ヘ長調もしくはト長調だと思って読めばいい。つまり、ドになる位置とソになる位置をしっかりと頭に焼き込んで、基準読みで読めばいい

ドの位置の判定でその音部記号のCがどこかなんて知らなくていい。というのは調号が付いている場合は調号からドが分かるからだ。調号がシャープならば一番右のシャープのすぐ上がドだ。絶対音程が必要ないのならば音部記号を見る必要はない

調号がフラットで2個以上付いているのなら、右から2番目のフラットがドだし、ひとつだけ付いているのならそのフラットの位置がファだから、そこから上が下に向かって「ファソラシド」とか「ファミレド」とか数えればドの位置が分かる。

むしろ調号が付いてない場合の方が面倒である。

臨時記号も同じ。お節介臨時記号が付いてないことが条件で、臨時記号の付いてる音符がその小節で初めて出てくる高さなら、調号がシャープならシャープっぽいのは半音上げ、ナチュラルはフラットに脳内変換である。調号がフラットならフラットっぽいのは半音下げ、ナチュラルはシャープに脳内変換でいい。

一度臨時記号が付けば、それを打ち消したり逆向きに動かしたりする臨時記号はすぐに分かるから、その小節に臨時記号が5個とか書いてない限りだいたいは読み切れる。それより多いとさすがにちょっとキツイと思うが(ピアノは和音があるから、それくらい出てくる可能性は普通にある)。

ト音記号でフラット2個の調をヘ音記号だと思って読んでみよう。右から2番目のフラットは真ん中の線の上にあり、ここがドである。ここに適当に音符を書いて、ヘ音記号のCの位置に点を打つ。すると、各音符のすぐ下に点を打てばいいことがわかる。これは点打ち法で読める。ナチュラルはシャープに脳内変換、ダブルフラットはおそらく出てこない。

ヘ音記号でシャープ5個の楽譜をト音記号だと思って読んでみよう。一番右のシャープは多分一番下の線と線の間にあるはずである。ここがシだから、そのすぐ上、つまり下から2番目の線がドになる。ここに適当に音符を書いて、ト音記号のCの位置に点を打つと、ちょっと離れている。これはト音記号のト長調だと思って読む必要がある。シャープとダブルシャープは半音上げ、ナチュラルはフラットに脳内変換で、普通のフラットは多分出てこない。

ヘ音記号でフラット3個の調をト音記号だと思って読んでみよう。右から2番目のフラットは、上からふたつ目の線と線の間にくる。おや? これはト音記号のCの位置と同じである。つまり、ト音記号のハ長調だと思って読めばよい。フラットはシャープに脳内変換である。

このように、ヘ音記号のシャープ4個(E dur)とフラット3個(Es dur)はト音記号の調号なしと同じように読める。テノール的には「ラッキーw」である。逆に、ト音記号のシャープ3個(A dur)とフラット4個(As dur)はヘ音記号の調号なしと同じように見える。


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