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大日本名将鑑 楠正成

「太平記」巻六「正成天王寺未来記披見事」、楠木正成が元弘2年(1332年)に鎌倉幕府に反旗を翻した。その際に天王寺(現在の四天王寺)を参拝し、馬と太刀、鎧一領を奉納して寺僧に「未来記」をという書物見せてもらった場面(出典)。聖徳太子は未来を予知する能力を持つとする記述が日本書紀にあり、これが未来記や未然本紀という書物に記されたとされる(出典)。

寺僧は正成の求めに応じて、持統天皇以降の未来を記した秘蔵の書物を特別に見せた。そこには、第九十五代の天皇の時に天下が乱れ、東から魚が四海を呑み、370日後に西から鳥がその魚を食うという予言が記されていた。さらに、猿のような者が30年余り天下を支配すると書かれていた。正成は、「東魚」を北条高時、「西鳥」を自身の暗示と解釈し、予言に勇気を得て鎌倉幕府と戦い、ついに勝利した。

ただし、実際には正成が未来記を読んだかは真偽不明で、物語の仕掛けや軍略の一環だった可能性もある(出典)。また、猿のような者が天下を支配したのは、足利将軍家の次の時代の予知だったのかもしれない。

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