車椅子で海外移住した理由

「これから海外移住してみたい、または興味がある」という人や「海外移住しました」という人はたくさんいると思います。

今回は、幼少期から車椅子で生活をしている私が、海外移住するに至った経緯について書きたいと思います。

この記事を作成したチェンジメーカーについて
名前: けいすけ　[One Global 共同代表]
略歴: 2015年からアイルランド在住、現在は現地のテック企業に勤務。
先天性の障害によって幼少期から車椅子で生活。

海外移住について、よく聞く理由としては、

• 経済的な理由（賃金、税制、物価など）で日本国内に住むよりもメリットが大きい

• 海外で子供に教育を授けたい

• 海外旅行中に、ある国の文化に魅力を感じて住みたいと思った

• 外国籍の人と結婚したからパートナーの母国で暮らす

など人それぞれで、私も移住に関する相談を受けることがあります。

中でも、よくきかれる質問の一つ：

なんでアイルランドに移住したの？

理由はシンプルで、海外転職を目指して活動している中で、たまたまアイルランドに拠点を置く某企業から就労ビザのサポート付きで仕事のオファーがもらえたからです。

実際に移住するまで旅行で訪れたこともなかったし、首都がダブリンっていう街だということすら知らなかったぐらい、

正直、アイルランドという国自体には興味も関心もほぼない状態でした。

特定の国にこだわっていたわけでもなく、

なぜそもそも海外移住したかったんだっけ？

というところに立ち返って、自分の人生をふり返ってみました。

私の中でたどりついた結論は、

おさない頃から自分の行動範囲が広がることへの喜びが人一倍大きかった

ということ。

小学校１年生の時から車椅子で生活していて、日常生活における行動範囲という意味では

周りの子たちに比べると、せまい世界で生きていたと言えます。

両親が苦労して車椅子でも受け入れてくれるバリアフリーな公立小学校を横浜で見つけてくれて、すぐ近所の（ほぼ）バリアフリーなマンションに引っ越してくれたおかげで、家と学校の往復は徒歩数分。

放課後の行動範囲は、マンションの敷地内や近くの公園など家から半径数百メートル以内。

自転車やバスに乗って隣町まで行く、なんていうこともなく。

横浜は坂が多い、というのも行動範囲をせばめていた要因の一つ。

車椅子生活者あるあるとして、坂が多い街は本当に動きづらさを感じます。

こどもの頃は腕の力も弱くて、自力で動き回れる範囲はかなり限られていました。

中学に入って、仲のいい友達が私の車椅子を押して隣町にある駄菓子屋さんまで連れていってくれたことがありました。

片道、徒歩20分ほどの道のり。

友達にとっては、いつでも来られる近所の駄菓子屋。

でも当時の私にとっては、自力ではとてもたどりつけない丘を越えた先にある駄菓子屋さん。

友達は、「手助けした」なんてこれっぽっちも思っていないはず。

それでも友達の手を借りて、初めてこの場所を訪れたときに、まるで自分の世界が一気に広がったような気がして、すごく嬉しい気持ちになりました。

高校生になると、電車で学校から友達と一緒に下校するようになり、この時も劇的に世界が広がった感覚で、とにかく楽しかったことを覚えています。

こうした体験から得た感動の積み重ねが原動力になって、

行ったことのない場所にもっと脚を伸ばしてみたい

もっといろいろな人と出会って交流したい

というモチベーションが培われたのだと思います。

私は「もしこうだったら」みたいな「たら」「れば」の話は好まないのですが、

仮に私が健常者で何不自由なく動き回れる幼少期を送っていたら、そもそも海外に目が向いていなかったのでは？

と思うことがあります。

それともう一つ、

人生はあっという間だよ

と、祖父母からよく聞かされていました。

限りある時間の中で、

なるべくやりたいことをやる

少なくとも挑戦してみる

そうすることで、後悔しない人生を送りたい

そうした考えの延長上に、海外移住があったのだと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

けいすけインスタグラム：
https://www.instagram.com/globetrotter_keisuke/

以下の記事でも海外生活や旅行をする中で大切にしていることについて書いてます。参考にしてもらえたら嬉しいです：

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