車椅子で41カ国旅した私にとって「バリアフリー」とは
先週末、ドイツ人のある友人から質問を受けました。
無礼に聞こえたら申し訳ないし、気分を害するようだったら答えなくてもいいんだけど・・・
という前置き。
これは、私が大好物にしている枕詞(まくらことば)で、いまから私の障がい、または車椅子生活に関する質問が投げかけられることを意味します。
また、この前置きには
訊くのがはばかられる質問だけど、気になっている =興味・関心
けいすけだったら答えてくれるかもしれない =期待
のあらわれであり、私はいつもワクワクしながら質問を待ちます。
今回の質問:
たくさん旅をしているけど、車椅子で海外旅行って大変じゃないの?
公共交通機関や街のバリアフリーって、そんなにととのってるの?
これは本当によく受ける質問なので、今回は私にとって「バリアフリーとは何なのか」について書きます。
「バリアフリー」の一般的な定義:
高齢者や障がい者をふくむすべての人が、安全かつ快適に生活できるように、物理的・社会的な障壁(しょうへき)をとりのぞくこと
この定義を読んで、
あいまいだなー。ぼんやりしてるなー。
と思ってしまうのも、しかたがないでしょう。
とりのぞくべき「障壁」は人それぞれ異なるのですから。
さて、この定義が仮に正しいとすると「障壁をとりのぞく」のは、いったい誰なのでしょう?
インフラを整備する国?政府?
それとも会社?
あるいは、社会生活をするすべての人たち?
もちろん、組織や人々がバリアフリー社会の実現に向けて絶えず配慮、努力を続けることは必要なことだと思います。
ただし、大前提として、障がいを抱えながら生活する当事者の私が考えているのは、
自分こそが「障壁」をとりのぞき、バリアフリーを実現する当事者だ、という意識をもって生活できているか
ということです。
私は、小学校1年生のときから車椅子をつかって生活していて、家族、先生、友達に毎日、車椅子を押してもらい、みんなに車椅子ごと担いでもらって階段を上ったり下りたり、というのが日常茶飯事でした。
急勾配の坂
階段
でこぼこ道
ちょっとした段差
これらは一見、車椅子使用者の私にとっては致命的な「障壁」ですが、人の手を借りることによって、とりのぞける「障壁」でもあります。
何もしなければその「障壁」はそのまま存在し続けますが、自発的に周囲の人に協力を呼びかけることで「障壁」ではなくなるのです。
私にとって
「バリアフリー」とは、自力では乗り越えられない「障壁」を周囲の協力を得てとりのぞくこと
だと言えます。
冒頭の友人からの質問に対する回答としては、
たしかに旅行中は、公共交通機関、街歩き、飲食店、宿泊施設など「障壁」の連続だけど、
困ったら「手伝ってほしい」と人にお願いする
助けてもらったら「ありがとう」をしっかり伝える
というシンプルな行動で、私は「バリアフリー」をほぼ実現できている。
さいごに
「障壁」というのは、障がい者や高齢者などに限った話ではなく、すべての人の人生に必ず存在するものだ、ということを付け加えたいと思います。
多くの「障壁」は、黙っていても誰もとりのぞいてくれません。
自分から乗り越えるのだ、というマインドをもって、周囲の人の協力を得ることで、多くの「障壁」はとりのぞけると思います。
日常生活において自立していて、自分で身の回りのことができている(という錯覚)と感じている人ほど、
他人に何かを手伝ってもらうこと = 他人に迷惑をかけること
という誤った思考に陥りがちな気がします。
私たちは助け合いの中で、感謝しあって幸せを分かち合える、という話は以下の記事でも書いたので、ぜひ読んでみてください。
みなさんにとっての「障壁」と、それをどのように乗り越えたのか
みなさんの「バリアフリー」エピソードをコメントで聞かせてもらえたら嬉しいです!
この記事を作成したチェンジメーカーについて
名前: けいすけ [One Global 共同代表]
略歴: 2015年からアイルランド在住、現在は現地のテック企業に勤務。
けいすけインスタグラム:
https://www.instagram.com/globetrotter_keisuke/
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