セカンドチャンス
篠田節子 2022年
・あらすじ
・感想
今週はコロナに罹ってしまいました...。1週間ぐらい隔離生活を余儀なくされております。
『セカンドチャンス』はその前の週に図書館に行って、『満月ケチャップライス』と一緒に借りてきていたので、読むことにしました。幸いそこまで、体調的にも辛くなかったので、久々に本に没頭することができました。
麻里は51歳で、母親を看取った直後でした。いろんなことを失敗し味気ない日々を送り続け、この先は下り坂だろうと思っていたとき、「水泳をやってみないか」と知人に勧められます。そこは「相模スポーツセンター」と言って、中高年たちが集うスイミングスクールが開かれている場所です。そこでの出来事を通して、彼女が変わっていく姿を描いたものです。あまり話したことはありませんでしたが、私も8年間水泳を習っていたので、何だか懐かしいような気がしました。
最初は不慣れで、コーチの良し悪しで他の人と険悪な感じになったり、別のコーチが良いと思ったりして、なかなか安定した状況ではなかったです。コーチの良し悪し、私も何となくわかる気がします。これはスポーツクラブだけでなく、他のところにも言えることですが、合わない人に教わってもあまり成果が出ないように感じますよね。普通に楽しいとも感じませんし。かなり失礼な話かと思いますが、確かに昔思っていました。
その後、徐々に麻里も周りと溶け込んでいき、気が付けばお互い中よさそうにする姿が描かれていました。大会に出場することが決まると、それに向けて他の人と一緒になって頑張っている様子が描かれていました。チームワークですよね。目標に向かって、みんなが精いっぱい頑張っている姿、最初のころはほとんど見ることもできなかった姿であるので、そういった変わりようがとても鮮明に描かれていて面白かったです。
水泳は競技種目でもあり、娯楽でもありますよね。子どもの喘息予防で、習わせる方も多いと聞きます。これは競泳で誰かと競う面について描いた作品ですが、純粋に泳ぐことは楽しいことだと思います。これから夏本番、どこかの市民プールにいって、また泳ぎたいなぁと思いました。