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告白

湊かなえ  2008年

・あらすじ
「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」
わが子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラーがついに文庫化!〈特別収録〉中島哲也監督インタビュー『「告白」映画化によせて』。

本書後ろのあらすじより引用

・感想
こちらの作品も、図書館で借りてきました。前、SNSをみていたら、何人かのフォロワーさんが紹介していたので、気になっていました。

2008年発表、過去には映画化された作品でもあるようです。ことの発端は担任の先生の子どもが、教え子の中学生二人によって殺されたことから始まります。先生はそれ以来、彼ら二人を憎んできました。そして3月、事件の事を引きずる形で年度末を持って退職。その際に出された牛乳に「血液を入れた」と言い放ちました。それによって、加害者二人は狂っていくという話です。

第一印象は、私の身の回りでは、あり得ないような話だと思いながら、実際に起きそうな事件だなぁといった感じでした。そして「ひとつひとつのことが、凄いなぁ…」と終始思いながら、読み続けました。血液にはエイズ菌が入っていると嘘をついた、担任の森口先生でしたが、犯人Aこと「直樹」はそのことを一切知らずに、どんどんふさぎ込み最悪の展開へと発展してしました。

これは、中学生二人が悪いだけではなく、「森口先生」にも悪いところがあるのではないかと思いました。いくら何でも、実の担任が、生徒に対して個人の思うがままに復讐することはいかがなものではないかというのが読後の感想です。

これは極端な例だったかもしれませんが、教師が生徒や児童に体罰をして問題になったり、老人ホームの職員が入居者に恨みをもって、殺したりと言った事件をしばしば聞きますよね。行動をすることによって人生が終わるようなことでも、その人に自分や自分の家族に害を及ぼすようなことをされたら、本能的に抑えきれなくなってしまう。それが犯罪が起こる原因なのだろうなと思いました。こう考えると、人間関係ってどろどろしていますよね。

私は幸いなことに、今までこういった感じの事件に巻き込まれたことがありませんが、普段の行いには十分に気を付けたいと思いました。

・書籍情報
初版発行日:2010年4月11日
発行元:双葉社
定価:本体619円+税

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