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#007|困難を超えるために、メンタルを支配する。

【はじめに】

こんにちわ。EDIIT Inc.・CEOの榎本です。

前回の記事「A4・1枚で、組織を動かせるか。」では、プロジェクトで用いる資料について解説しました。

「課題を解決する視点についてもっと知りたくなった」
「EDIIT Inc.で使っている他の資料も見たくなった」

と思った以上の反響をいただき、私自身、資料への向き合い方を考える良い機会になりました。

さて、今回のテーマです。8月からnoteを始めてから4ヶ月経ちます。

有り難いことに多方面の方々から「面白かったよ」とか「役に立ったよ」と言われることも増え、少しずつ、自分の考え、取組姿勢などの言語化・可視化に手応えを感じ始めています。

しかし、一方で困ったことも出てきました。私のnoteを見て

「自分は、メンタルが強くないから榎本さんのようなチャレンジングなことはなかなかマネできない」

というご意見も少なくないのです。

少しでも再現性の高いノウハウや考え方がお伝えできればと思って始めたのですが、距離感を感じている方も一定数いることが分かりました。

私自身、特別何か才能のある人間ではありません。嫌なことがあれば落ち込むし、嬉しいことがあったら喜ぶ、普通のメンタルです。

違いがあるとすれば、メンタルのコントロールの仕方ではないでしょうか。今回は【ビジネスシーンにおけるメンタルとの向き合い方】について解説させていただきます。

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01.メンタルはロジカルに支配できる

私が普段、気をつけているのはネガティブな感情を選ばないということです。

不機嫌になったり、落ち込んだりすることに何ひとつメリットはありません。感情は選ぶことができます。

選ぶために必要なのは【マインドを整えるために的確に解釈する力】です。

「崖の上に追い詰められて後がない」と考えるのか「歴史に残る逆転劇が始まる数秒前」と考えるのか、同じ状況でも感情は大きく異なります。

今、何が起きているのか、何が一番大事なのか、どうすれば乗り越えられるのかを考え、どのくらいの状況だと認識して感情をコントロールするのか。

メンタルはある一定、ロジカルに支配できると考えています。これは決して先天的なものではなく、訓練すれば誰もができるものです。その前提で今回は誰にでもできる方法をお伝えさせていただきます。

02.自分史上、最大の失敗/困難に目を向ける

メンタルを支配するために重要なのは【自己分析】です。

中でも【自分史上最大の失敗/困難】に目を向けることです。

つまり「あの時に比べれば、今、目の前で起きていることなんて、たいしたことないじゃないか」と思考する方法。

これがメンタルを制御するための、最も手っ取り早い方法です。自分史上最大の困難は、そうそう更新されるものではありません。

例えば、国際的に活躍する現代美術家の村上隆さん。彼は大学受験中の浪人時代が一番つらかったと話しています。

こちらの記事をご覧ください。

【Yahoo!ニュースの記事】
「生前は雑音。評価は僕が死ぬまで分からない」――現代美術家・村上隆が語る創作とお金
https://news.yahoo.co.jp/feature/1820

村上さんはここで

「苦しい時、会社がつぶれそうになった時とか、必必ず浪人時代の夢を見ます。でもあの時よりはつらくない」

と語っています。

このように思ったのは新作映画の制作を進めていて資金がショートしそうになった時のこと。ある日、経理から突然、

「十何億円、足りない」

と言われたそうです。その時、彼が考えたことも人生史上の最大の困難との比較でした。お金が足りない。でもそれは浪人時代の経験と比較すれば、大きなことではなかったということです。

03.世の中に、自分の立つ場所がなかった浪人時代

実は、私も大学には二浪して入学していて、奇しくも仕事で辛いと感じる時、浪人時代を思い出します。

当時のことをお話するには家族のことを少し話さなければいけません。

私には妹がいます。都内の優秀な一貫校に通っていたこともあり小学校4年生の時には6年生の勉強が終わるほどで、成績は常にオール5。その後は有名国立大学に学費免除で入学。それも塾にも通わずの結果でした。

一方の自分は昔から妹の宿題が解けず、塾通いするも妹以上の成績を残すことができなかった半生でした。家では、

「妹は塾にも通っていないのにオマエは・・・」

と、何度も父親から迫られました。

それでも「政治家になって初等教育を変えるんだ」という志があり、大学進学への高いモチベーションがありました。

自分で決めたライフデザインです。浪人時代、予備校代や受験代を自らアルバイトをして稼いでいた日々も、卑屈になったことは一度もありませんでした。

二浪した時の成人式の日は図書館にいて、友人から「大変だね」と言われても気に留めないふりしましたが内心はとても悲しく悔しかったのを今でも覚えています。でも、仕方ないんですよね、センター試験が数日後に迫っていましたから遊んでいる場合ではなかったんです。

そんな強い気持ちを持っていた私ですが、それでもどこかで

「何でこんな家に生まれたんだろう」
「世間にとって自分って一体何なんだろう」

という気持ちに胸を締め付けられました。大学合格という結果が出ない2年間はひどく辛いものでした。社会に参加せず、何者でもない時間はまさに地獄。2度と与えられたくない時間です。

だからこそ、村上さんの記事の中にあった

「世間に自分の立つ場所がなくて非常につらかった。」

という話に強い共感を覚えたのです。

04.困難は力に変えられる

こうした経験を嫌な思い出として胸にしまうこともできます。

でも、それでは当時自分を支えてくれた、友人や先生、彼女に合わせる顔がない。何より耐えながら前に進んだ自分はどうなるのでしょうか。

こうした葛藤から心の器を広げてくれた経験だと考えられるようになりました。過去は変えられないけど、過去の解釈は変えることができる。そして未来を変えられるのは『今の自分』が何事にもどれだけ全力に取組める次第で切り開けると考え抜いたからです。

みなさんにもこうした経験はひとつあるはずです。何十年も生きてきて、ずっと楽しかった人なんて絶対にいない。

乗り切った過去を思い出し、見つめ直せば、メンタルを強くする大きな武器になっているはずです。古い友人に会ったり、昔の写真やSNSを振り返ったりして、ぜひ、探してみてほしい。

苦労した経験も、時間が経てば新しい解釈ができるようになっているはずです。私はそれが「成長」だと思います。

精神的な柱が見つかれば目先のアクシデントで心が折られそうになっても、過去の自分を全否定することもなく、大きな気持ちで目の前の困難に立ち向かうことができるでしょう。

05.史上最大の困難は、人生を次のステージに上げる

このようなお話をすると

「でも、榎本さん。今、ぶち当たっている壁が人生史上、最大の壁だったらどうするんですか」

と思う方もいるかもしれません。

もしそうだとした場合はむしろ好都合。ビッグチャンスです。この時のポイントは3つ。

・焦らない
・逃げない
・すべてを賭けて戦う

ということです。

冷静さを失い、恐怖に怯えることもあるかもしれませんが、史上最大の苦悩は、あなたを次のステージに連れて行ってくれる。そんな時ほど、そのど真ん中に飛び込んで奮闘することをおすすめします。

少年漫画の主人公たちも、そうやって大きな敵と戦えるようになってきたではありませんか。

実際は立ち直るまで時間がかかるほどの深傷を負うかもしれません。負債を抱えるかもしれないし、誰かからの信頼を失うかもしれません。眠れない夜だってあるでしょうし、歯ぎしりで歯が欠ける可能性すらあります。

ただ、困難には必ず終わりが来ます。未来永劫続く困難は、経験上、存在しません。立ち向かっていれば、いつか「いい経験ができた」「人として大きくなれた」と言える日がくるはずです。

心の強さは先天的なものじゃない。ぜひ、いろんな経験をして、そして、自己分析をしながら目の前の大きな壁に立ち向かってください。

苦しい時、私でよければいつでもご相談に乗ります。今日も大きな価値を生み出すため、一緒にがんばりましょう。

編集後記:困難な時に自らを奮い立たせる

多くのチャレンジングなビジネスパーソンにとって、うまく行かないこと、追い詰められることは日常と言ってもいいかもしれません。

スキルの有無に関係なく、新しいことへの挑戦にアクシデントはつきものですから。ポイントはこうした場面に対峙した時にすぐに切り替えができるかどうか。

素直で優秀なビジネスパーソンほど自分を責め、立ち止まってしまったりしがちですが、動きが止まれば止まっただけ事態が深刻化することがほとんどです。

空回りすることに怯えず、自分の過去や人格を否定せず、頑張ってほしい。自分だけで解決せず、諸先輩たちを頼ってあげてほしい。

「まだまだ自分は頑張れる」と、自らを奮い立たせる技が身に付けば、どんな困難にも立ち向かえるでしょう。

今回も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。次回の記事もお楽しみに。

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